ノラネコの呑んで観るシネマ

私の血に流れる血のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

私の血に流れる血(2015年製作の映画)
3.2
ベロッキオの新作はトリッキーな怪作。
司祭を誘惑して魔女の嫌疑をかけられ、幽閉された修道女を巡る重厚な時代劇かと思いきや、いきなり時代が同じ街の現代に飛ぶ。
一見時空を超えた因縁劇の様にも見える、現代のパートの位置付けがよく分からない。
現代パートでは人間に混じってバンパイアが暮らしているのだけど、彼らが何のメタファーなのか、過去の出来事とどう繋がるのか不明瞭。
一応、過去と現代で俳優も多くは共通してるが、因縁話だとするとどの様に解釈してもキャラクター相関の整合性がとれない。
明らかに狙って観客を混乱させる作りには戸惑うばかり。
しかも、仮に現代パートを全部カットしても、話としては成立しちゃうしテーマも伝わるんだな。
現代パートの意図が不明のまま終わるので、全体解釈はお手上げ。
正直変な映画としか言いようがないw