私の血に流れる血の作品情報・感想・評価

私の血に流れる血2015年製作の映画)

Blood of My Blood/Sangue Del Mio Sangue

製作国:

上映時間:106分

3.9

あらすじ

時は17世紀。ある教会で神父が自殺する。自殺は許されず、正式な埋葬が行われない。神父の弟は教会を訪れ、兄の死は魔女と取引をした尼にそそのかされた結果であることを証明しようとする。尼は拷問にかけられる。現代に時間は飛び、今や朽ちた教会をロシアの富豪が買取ろうと下見に来る。しかし内部には時間の流れを拒否するかのようにひっそりと住みついた老人がいた。バンパイアと噂される老人は、夜に外出して現代の街を観…

時は17世紀。ある教会で神父が自殺する。自殺は許されず、正式な埋葬が行われない。神父の弟は教会を訪れ、兄の死は魔女と取引をした尼にそそのかされた結果であることを証明しようとする。尼は拷問にかけられる。現代に時間は飛び、今や朽ちた教会をロシアの富豪が買取ろうと下見に来る。しかし内部には時間の流れを拒否するかのようにひっそりと住みついた老人がいた。バンパイアと噂される老人は、夜に外出して現代の街を観察する…。

「私の血に流れる血」に投稿された感想・評価

備忘のために

同じボッビオを舞台にしながら時代を隔てた2部構成となっているのだが、すごく効果的。全ての始まりは、ベロッキオが故郷で放置されていた刑務所を見つけたことに始まったという。

この刑務所を舞台に着想されたのが、17世紀、生きたまま壁の向こうに閉じ込められた尼僧の物語だが、そこには有名な「モンザの尼僧」のエピソードがあるらしい。のちに、アレッサンドロ・マンゾーニがその歴史小説『いいなずけ』のなかで取り上げ、美しい尼僧ジェルトルーデとして描きなおすもの。

一方で、現代編では、ニコライ・ゴーゴリの『検察官』が念頭にあったらしい。これは、とある地方都市に 首都から監査の役人がやってくるという知らせがあり、 長年の不正とワイロ漬けがばれては大変と、市長たち実力者がにわかに慌てはじめるという話だから、なるほどそう言われてみればたしかにそうだ。

たしかに出発点にそんな物語があることは興味深いけれど、この映画がすばらしいのは、ボッビオの風景。その美しさに、ぼくは何度か息を飲んでしまった。撮影は、今やベロッキオのオッキオ(目)同然のダニエーレ・チプリー。

そして音楽も耳に残る。アヴェ・マリアの祈祷、場違いな「帰れソレント」....

それにしても、14年の歳月にわたって壁の向こうの小さな部屋に閉じ込められていたベネデッタがすばらしい。演じるのはウクライナ出身の Lidiya Liberman 。21歳のときにイタリアに来て映画実験センターで学び、29歳でベロッキオの目にとまったというのだけど、その立ち姿は往年のイングリッド・バーグマンを思わせる凛々しさ。いくすばらしいロケーションがあっても、彼女の肉体のもつ存在感がなければ、この映画はぜったいに成立してない。ネタバレになるけど、あの土煙の向こうから現れる神々しい姿なんて、これぞチネマ、これぞベロッキオというべきものだった。

もうひとり特筆すべきが、17世紀のボッビオ大司教、現在の夜のヴァンパイアことバスタ伯爵(この Basta という性はきっとジョークで「いきるのはもう "けっこう" (basta) ってことなのだろう)を演じた、ベロッキオの常連のロベルト・エルリツカ。彼のような枯れきったようでいて瞳をギョロりとさせる存在感が、イメージに深みを与えるんだよね。
saeka

saekaの感想・評価

2.5
東京国際映画祭1本目。
朝から観るには少し重く、また構成も難しかった。「問題作」と言われる理由がなんとなくわかる。
映像は美しく、光の使い方がすごく綺麗だった。
もう少し大人になってからもう一度観れば、また何か変わるかもしれない。
ア

アの感想・評価

3.0
今年の東京国際映画祭第1本目!仕事6日休む気合の入れよう。
スケジュールで仕方なかった部分もあるけど、記念すべき&映画祭慣れしてない体に、最初の朝イチでこれ選んでしまった私もバカなんだが…見事爆睡!巨匠ベロッキオ、ごめんなさい!
入水のシーン、男たちの迫り来るシーンが美しかったので3.0。今更気付いたけど、私宗教ものって苦手だった(笑)いかにもシネフィルが好きそうな作品だ…
gm

gmの感想・評価

3.0
中世の修道院では絵画を見てるような美しさがあるし、尋問シーンでの女性の瞳はとても綺麗。ゆえに、現代パートがあまり好きではなかった。っていうか凡人の私の理解できないレベルの作品。
中盤以降の現代に移ってからが素晴らしい!
神さまのいたずら。
いち麦

いち麦の感想・評価

4.0
TIFF2015にて鑑賞。近世欧州の教会で起こった事件の非道な顛末と数百年を隔てた現代の情景。よくある順序とは逆の展開や仕掛けたリンクによって胸騒ぎのする不気味な作品に化ける。暗雲と灯の対比が迫る街の宵の風景が印象的。
2015.10.23 TOHOシネマズ六本木ヒルズ(TIFF)

ベロッキオ健在。私が仕掛けた謎をどう解釈するのかな? ってな具合。しかし、これ一般公開されるんかいな? 難解です。
クラシカルで重厚な中世パートが混乱を極める現代パートを挟むミルフィーユ。
狂ってる!
メタリカの名作“Nothing Else Matters"が21世紀のベロッキオ作品にてアカペラバージョンでレザレクション。

ピエール・ジョルジョ・ベロッキオがベロッキオの息子なのは、『眠れる美女』にも出てたから知ってるわけだけど、そのピエールジョルジョにソックリなアルベルト・ベロッキオはどなた様?
マルコの兄弟?
エレナ・ベロッキオは娘で良いのかしらん?

このレビューはネタバレを含みます

あとから討論したくなる作品。
キリスト教として葬ることができないことがどんなに辛いことか。
そのために悪魔と繋がりがあるのではないかと、女を拷問する宗教と厳かな雰囲気。
一転、現代に至ってはかるーいノリのイタリア人。

あちこちに出てくるフェデリコ。
繋がってるのか‼?
女は悪魔と・・・
ヴァンパイアはいつから、誰から

とってもあとを引く作品。

不思議な姉妹も面白いよ。
ベロッキオの新作はトリッキーな怪作。
司祭を誘惑して魔女の嫌疑をかけられ、幽閉された修道女を巡る重厚な時代劇かと思いきや、いきなり時代が同じ街の現代に飛ぶ。
一見時空を超えた因縁劇の様にも見える、現代のパートの位置付けがよく分からない。
現代パートでは人間に混じってバンパイアが暮らしているのだけど、彼らが何のメタファーなのか、過去の出来事とどう繋がるのか不明瞭。
一応、過去と現代で俳優も多くは共通してるが、因縁話だとするとどの様に解釈してもキャラクター相関の整合性がとれない。
明らかに狙って観客を混乱させる作りには戸惑うばかり。
しかも、仮に現代パートを全部カットしても、話としては成立しちゃうしテーマも伝わるんだな。
現代パートの意図が不明のまま終わるので、全体解釈はお手上げ。
正直変な映画としか言いようがないw