きゃんちょめ

音楽を聴く猫のきゃんちょめのレビュー・感想・評価

音楽を聴く猫(1990年製作の映画)
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【西洋音楽史を遠くから見る】

①ルネサンス音楽
(アカペラで神の調和についての聖歌を歌うポリフォニーが有名)

②マニエリスム音楽
(不安の時代。ヴェノーサのジェズアルドが有名)

③バロック音楽
(オペラ的対立構造。女性のコーラスと男性のソロの掛け合いなど。有名なのはアントニオ・ヴィヴァルディやヘンデルやドメニコ・スカルラッティ)

④ロココ音楽
(クープラン、ラモー、テレマンなど)



参考❶:1955年と1981年にグレン・グールドが弾いたゴルトベルグバリエーションは、バッハが不眠症に苦しむカイザーリンク伯のために作曲したと言われている。(ブラームスの4番の最終楽章の反復構造にも似ている。これはのちのパッサカリアという構造にも通じている。なお、グレン・グールドは夏目漱石の『草枕』の英訳をラジオで朗読している)

https://youtu.be/Ah392lnFHxM

参考❷:バッハ→ハイドン→モーツァルト→ベートーベン→ワーグナー→後期ロマン派などにおいては、「トニック(ドミソ)」と「サブドミナント(ソシレ)」の緊張でもって音を作るいわゆる「調性の音楽(イ短調とかハ長調とかの調性がある音楽)」が発展する。その調性の音楽を破壊したのが新ウィーン楽派のシェーンベルグや、ピエール・ブーレーズ、アントン・ヴェーベルンなどである。

参考❸:バッハは19世紀のメンデルスゾーンによる復活と1955年と1981年のグレングールドによる復活を経て今日に至っている。

参考❹:チェリストのムスティスラフ・ロストロポーヴィチは、ベルリンの壁が崩壊していく中で無伴奏チェロ組曲第1番ト長調プレリュードを演奏した。この曲はほとんど分散和音だけで作られている。チェリストでは、パブロ・ガザルスも有名である。

https://youtu.be/dcdAXXTWH64

参考❺:バッハは練習曲で有名なため「エクササイズの人」と呼ばれることがある。練習曲といえば、有名なものにバルトーク・ベーラのミクロコスモスがある。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ミクロコスモス_(バルトーク)


参考❻:日本の作曲家である武満徹はマタイ受難曲を毎晩聴いていたという。マタイ受難曲といえば、指揮者のフルトヴェングラーが指揮したマタイ受難曲「おお、血と涙にまみれた御頭(みかしら)よ」(St Matthew Passion BWV244, Part 2: No. 63, Choral: O Haupt Voll Blut Und Wunden)などがある。プロテスタント・ルター派の賛美歌のことをコラールといい、バッハはこれを集めて構成した。


参考❼:スウィングル・シンガーズはバッハの音楽をジャズのスキャットで演奏した。高橋悠治は「フーガの(電子)技法」でバッハをシンセサイザーで演奏した。

https://youtu.be/M87z4r2Vy-0

参考❽:バッハのBACHを音符にした音楽を曲の中に入れる作曲家は多いが、ソ連のショスタコーヴィッチは、「スターリン」を音符にしてそれを逆さまにして自分の音楽の中に入れていた。
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