ヒノモト

大恋愛のヒノモトのレビュー・感想・評価

大恋愛(1969年製作の映画)
4.5
シアターイメージフォーラムで開催中の「ピエール・エテックス レトロスペクティブ」より、1968年の長編カラー作品。

大変上質な喜劇作品でした。
キートンやチャップリンのような道化師的な動作やその状況による笑いではなく、シナリオ上の組み立てと映像編集を巧みに練られた、長編コメディとして楽しめる作品でした。

映像で魅せるIFもしも、モノローグから演者のツッコミ、登場人物のすり替え、妄想や夢からの具現化などなど、コメディの基礎となる要素が盛りだくさんにあって、それでも甘いだけのロマンチックコメディではないところが、好感触でした。

特に、後半の夢の中でベッドが走り出す下りは圧巻でした。
パンフレットによると、フィアット500の車体にベッド乗せて走行してるらしいです。
後のミシェル・ゴンドリー監督の妄想的世界観は、今作に源流の一部があると思うと、フィルム修復により、観ることができて良かったです。

併映された短編「幸福な結婚記念日」も、記念日に遅延しまくる設定の面白さが端的に表現されていて、良作でした。

2022年私的映画ベスト10はブログにて
https://ameblo.jp/hinomoto-hertz/entry-12782033053.html
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