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ヤクザと憲法のditaのレビュー・感想・評価

ヤクザと憲法(2015年製作の映画)
4.0
あの警察のシーンを観たら、どっちがヤクザやねん!って思ってしまうでおなじみ東海テレビドキュメンタリー。劇場で観たかったけどタイミング合わず自宅にて二度目の鑑賞。他の作品もそうだけど、圡方さんの撮る作品はエンタメとしての面白さが半端ない、そしてとことん意地悪だ。

ケツの穴から手ぇ突っ込んで奥歯ガタガタ言…とか言う人は出てこない。昔の映画スタアのような組長、武骨な構成員、下っ端の彼、そして親代わりのおじさんヤクザ。カメラに映らない恫喝シーンの怖さと紅白観ながら蒲鉾をツマミに酒を飲むシーンの情緒。弁護士の人柄に「こういう風に人と接したい」と思うけど、いざ自分がとなると関わりたくないと思ってしまう。ぐらぐら揺れる気持ちの持って行きどころがないから困る。

この映画に対して自分自身で何とか答えを出すとすれば、社会という入れ物に入らない(入れない)人に人権はあるのか、ももちろん考えるテーマではあるけれど、中身を見ずに入れ物だけを見て(聞いて)攻撃することの怖さ、について問いかける映画でもあると思った。並列に語ることではないのは承知で、芸能ニュース然り話題の映画然り、(言い方は悪いけど)面白おかしく意見するならまず中身を知れ、と自戒の念を込める。カメラを止めるな、撮影はやめないを地で行く東海テレビさん、いつもありがとうございます。
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