事故で首を動かせなくなったボクサー・ビニーの再起をかけた復活劇だなんて書いちゃうと実話だしどうにもお涙頂戴ものかと身構えてしまうわけだけど、その辺しっかり抑制を効かせていただけていたのでひとまずは安堵の思い。とはいえ流石に過剰に抑え過ぎたのか、復活のリングでセコンドのケビンがビニーにかけた言葉と続くフラッシュバックに熱と重さが帯びなかったのは残念、この言葉を効かすのなら淡々としたムードの中に、もうちょいロッキー的アトラクションをまぶしてみても良かったのでは?
ちなみにこの作で一番驚いたのは「セッション」でドラムを愛でてたマイルズテラーが筋肉逞しくなって登場した点。迫力の役作りもあってセッションとはまた違ったインパクトを残したのは彼のキャリアを一段高みに上げた。