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さざなみのkouのレビュー・感想・評価

さざなみ(2015年製作の映画)
4.0
とても残酷であり、そして真実のようでもあり。結婚や恋愛、パートナーや信用というような対人関係は年月があれば深まるものという事ではなく、ふとした瞬間に消えてなくなってしまうものでもあるのだと痛感する。夫婦の6日間、たった6日間なのだがその重みとがらりと二人の関係性が変わる展開が見事。それは圧倒的な説得力を持つ。

まず特筆すべきなのはシャーロット・ランブリングの静かな演技だろう。本当に見事であった。起こっている出来事はとても静かなのだが、感情の揺れ動きが描かれる。それは怒りであり嫉妬であり、愛であり失望でもある。そんな複雑な揺れ動きを見事に映し出している。すごいという言葉以外にない。

静かな映画にまちがいないが、ヒリヒリとした緊張感がある内容だった。ラストシーンの展開も見事。女性と男性でも感じ方が違うかもしれない。素晴らしかった。
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