第1作でアマゾンの奥地からロンドンにやってきたパディントン。今回はその故郷での話も少し登場するのだが、ほとんどがロンドンにすっかり馴染んだパディントンの話。前回とは違ってすっかりプラウン一家とも馴染んで、近所の人たちとも朝の挨拶を和やかに交わす、愛されるパディントンが描かれる。その愛すべきパディントンが事もあろうに、刑務所に入ってしまうというのが、今回のまさかの展開。ということで、パディントンの登場シーンの半分は刑務所のなかなのだが、そこでもパディントンはちょっと間が抜けた愛されるキャラクターとして活躍する。
今回は、パディントンが骨董屋で見つけた、昔のロンドンを再現した飛び出す絵本が、物語のキーポイントで、ロンドン好きにはたまらない場面が多数登場する。ヒュー・グラントが、パディントンの敵役として登場するのも見どころのひとつかもしれない。それにしても、いつものことだが、実写のなかで観るパディントンの動きは、映像のなかに完璧になじんでいて、ほんとうに実在しているのではないかと思ったりしてしまう。「パディントン」は、1958年に第1作が出版されて以降、世界40カ国以上で翻訳され、3500万部以上を売り上げるイギリスの児童文学なのだが、もう少し日本でも人気が出ていいと思うのだが。
