ガンビー教授

彷徨える河のガンビー教授のレビュー・感想・評価

彷徨える河(2015年製作の映画)
4.5
ちょっとまだ上手く言葉にできないので、点数を付けないまましばらく寝かせたい。ただとてつもなく面白かった。こういう特殊な体験をさせてくれる映画があるからやめられない。(2017/01/10)

一見地味にも思える白黒の画面はかえって観客の神経を研ぎ澄ませるかのよう。興味深いトピック、展開で惹きつけ、ぐいぐい引っ張って、最後には想像も付かなかったビヨンドまで連れて行ってくれる。こういう出会いがあるから映画はやめられない。久々に呪術的な体験として映画を感じることができた。

地味な画面と書いたが、次第に没入感が強まっていくのは先述の通り、実際には神経が行き届いていてところどころ本当に美しい。

異なる時間軸を混在させるのはいかにもラテンアメリカ文学の魔術的リアリズムという趣だが、それら2つを、非常にシンプルでありながらも映画的な手法でつなぐ場面がある。本当にやり方としては単純極まりないのだがハッとさせられる。ああいう、フィクションらしい飛躍は気持ちよい。
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