彷徨える河の作品情報・感想・評価・動画配信

「彷徨える河」に投稿された感想・評価

柴猫

柴猫の感想・評価

4.1
ある先住民族の唯一の生き残りであるシャーマン、カラマカテ。若者である彼が出会ったドイツ人学者と、年老いた彼が出会ったアメリカ人学者。過去と現在、二つの時代で幻の植物を求めて行われる探索の様子が交錯的に映し出される。

若き日のカラマカテは外からの開拓によって同胞を滅ぼされたことで、白人に対して怒りを抱いている。そんな彼が生き残りの同胞を探す目的もある過去パートでは、白人の来訪により先住民の生活が変容していく様子が時に狂気すら感じる描写で描かれる。
だから、ここだけを見るとよくある西洋文明批判でしかないんだけど、老いたカラマカテの話を交えていくことでその主題から徐々にズレていく。

老人になったカラマカテは、かつての記憶すら曖昧になり、何かを思い出したとしてもその意味すら分からなくなってる。これは外の文化や知識を取り入れることで、自分達の伝統や民族的なアイデンティティを失ってしまった姿そのもの。
そして彼は段々と自身の存在意義や内面世界へと入り込んでいき、部族という所属を脱して個とも世界ともいえる世界へ埋没していく。
ジャングルと宇宙は内省的な旅路にぴったりな舞台設定だけど、今作ではジャングルと宇宙が繋がりあうようで面白い。時間を越えて、夢と現実と概念すらも溶け合ってただ存在する事実。

いやもうここまでくるとスピリチュアルでしかないし、テーマや主題でさえ彷徨い続けてるんだけど、それによって相対化されたのも事実で、たんなる文明批判を越えてお互いの側から議論を生む余地は感じた。
コンパスを盗もうとする先住民から白人がもたらしたゴム農場やカルト教団と、ゾッとする場面の多さ。ゴムは死の象徴というのはこれまでも散々言及されてきたことで、あの白は本当に寒気がする。
モノクロの美しさはジャングルの色彩を捨ててでも貫く価値はあったと思う。ラストのサイケな映像は少し残念だったけど。

この作品は2015年アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたコロンビア映画。以前見たときはあまりにも衝撃が強すぎて、2016年のマイベスト10にも入れるくらい好きだった。
改めてみると確かに、近年良く見かけるアカデミー賞外国語映画枠を狙い済ました作品感も否めないんだけど、やっぱり好みです。
Yucar

Yucarの感想・評価

4.8
すぐに心掴まれる。美しいアマゾンと人と映像。交錯する現在と過去。先住民を先住民が演じる。巨匠みたいに凄い!シロ・ゲーラ。
地獄の黙示録をわかりにくくそして地味にしたような映画で、終盤の不可解さのせいで積極的に褒めたいとも思えなかったけど、全体のモノクロ映像は中々に美しいから嫌いにもなれない。
自然を畏怖したり人間を理解したり愛したりしたい人用。なので私には不向きです。
全編モノクロ映像
アマゾン流域のジャングル
先住民族の生き残りであるカラマカテはドイツ人民俗学者が求める聖なる植物ヤクルナを探しに同行する。
数十年後、同じように医者が植物を探しに尋ねまたカヌーを漕ぎだす。
過去と現在が交錯し混乱しながらもすごい不思議な感覚に陥った。
植物探しが大筋ではあるがそこに加えて人種差別や先住民族等、色んな文化が混ざり合う。
ここ最近の映画で稀に見る感じ。言語化が難しい。

見終わった後にもう1回観たいと思える作品。
にしてもこれ実話ベースなんか…(ヒェ…)
脚本は面白い。

20世紀諸島にラテンアメリカに迷い込んだ瀕死のドイツ人の学者が、解放奴隷のネイティブアメリカンを従者にして病を治す薬草を探す旅に出る。
そこで出会った、ネイティブアメリカンの青年に道案内を任せるが、敬虔な現地神話の信仰を持つ彼と度々諍いを起こす。滅びたと思われた彼の同胞たちがどうやらその薬草を持っているらしい。

これと、その数十年後に記憶失った老年の同じネイティブアメリカンが別の白人をジャングルの奥地に道案内するシークエンスが交互に映る。

タルベーラとタルコフスキーの中間という感じがする。
実在の日誌を二つ使って話を作っているので、話に割り切れない部分が多いものの、この価値観の違う道連れの旅がいろんなものに出会うという話は若い頃のマークトゥウェインふうのアメリカ文学的ヒューマニズムの味わいを持っている。

基本的には人間を追いかけて撮るという感じなのだが、決定的なことが起きる場面、暴力を覗き見するシーンなどで、ふわっとした浮遊するカメラワークが垣間見えてなんとなくカメラを動かしている感じがするのは微妙。

過去の旅の方は、信仰からものの所有を許さないネイティブアメリカンの青年が同胞が幻の薬草を栽培しているのを見つけてその里を焼き払うところで終わる。

もう一つの方は、急にカラーのサイケデリックなアニメーションが始まって一瞬、悟っておわる。
majizi

majiziの感想・評価

4.5
アマゾンが舞台。1909年と1940年に著された2人の白人探検家による2つの日誌をベースに、先住民族の生き残りでシャーマンのカラマカテとのストーリー。

モノクロ映像に映し出される雄大なアマゾンの大自然。
蛇、蛇、蛇…蛇🐍苦手な人はキツイかも。
凄くアップでニョロニョロだった!

ジャガー、ゴムの木、幻覚作用のある植物、聖なる植物のヤクルナ。
言葉ではなんだか言い表せない作品でした。
過去と現在が交錯して物語は進みます。

白人の侵食によって先住民族たちの生活は一変し、キリスト教の布教も加速し混沌とした時間軸の中、ヤクルナを求めて河を渡る。

星を見上げて自然に従う人たちと、自然を支配できると思う人たち。

どちらが正しいとか、良いではなく文明の衝突という言葉もどうかと思うくらい、感性に訴えかけてくる作品でした。

西洋人の呆れるほどに傲慢で科学信仰にもうんざりするけど、物質主義で欲望にとりつかれた後戻りの出来ないすごく哀しい人たちなんだなって感じた。まあ日本人の自分も、もちろんこっち寄りなんだな…

夢や幻覚の世界にお告げを見る人たちなんだから、未体験だったり全く知らないくせにそれを全て否定するのはちょっと違うと思うし、自分たちの利益のために誰かを騙したり傷つけていい理由にはならない。

アマゾンが余りにも雄大で、人間なんて本当に小さくて儚い存在なんだと思った。

ペルーでもろに葉っぱだけ浮かべたコカ茶を飲んだことあるけど、高山病に良いんだよ〜ってニコニコして出されたので、きっと古代からの知恵なんだよね。
味は不味くも美味しくも無かった。笑

コロンビア行ってみたいな〜
犯罪の匂いしかしないところだけど(偏見)
ドイツ人の民俗学者テオドール・コッホ=グリュンベルク

アメリカ人の植物学者リチャード・エヴァンズ・シュルテス

カーピはアヤワスカ、アマゾン北西部で伝統的に用いられている幻覚剤

リーシュマニア症は、サシチョウバエにより媒介される寄生虫疾患

ゴムの発見はヨーロッパ人がサッカー広めることに

カボクロは、ブラジルの先住民


チュジャチャキ

大蛇の抱擁

カプチン会

コロンビアのバウペス

太陽の精液


ヤクルナはゴムの純度ます


ゴムは死の象徴
藍色

藍色の感想・評価

-
見たいと思ったきっかけ。みんぱくワールドシネマで紹介されてた。
原題: El abrazo de la serpiente=🐍蛇の抱擁💚…全く違うジャマイカっ!!!!>📢(´Д`*💦先住民族のシャーマン👨🏾‍🦲カラマカテの過去(20世紀初頭)と現在(30年後)を描く⏰🔀『スピリチュアルなロードムービー』(by🌊🛶手こきボート)🧭観る方によって解釈が異なり、それも股⭕️正解…という語り合いたくなるタイプの作品🐆

【🇫🇷カンヌ国際映画祭(芸術映画賞)・🇺🇦オデッサ国際映画祭(作品賞)・🇵🇪リマ映画祭(2部門)・🇲🇽アリエル賞(最優秀イベロアメリカン作品賞)・プラティーノ賞(7部門)など各賞18部門受賞🏆✨🇺🇸アカデミー(国際長編映画賞)・インディペンデント・スピリット賞(外国映画賞)など各賞8部門ノミネート】
>|