彷徨える河の作品情報・感想・評価

「彷徨える河」に投稿された感想・評価

akira

akiraの感想・評価

3.7

このレビューはネタバレを含みます

映画好きの人はこの映画が、「地獄の黙示録」の引用に熱心なことに戸惑う。もしくはラストシーンの眩暈の表現があまりにも60年代的(2001年宇宙の旅的)であることに違和感を抱くかもしれない。
最近「この世界の片隅に」を作った片渕須直監督を掘り下げていく中で「マイマイ新子と1000年の魔法」を見て、引用に対する見方がまた変わった。
片渕須直氏は元々ジブリで研鑽を重ね、流浪人のようにアニメ業界の天才たちを渡り歩いて自らの才能を開花させた。宮崎駿や高畑勲、押井守や大友克洋が築き上げたアニメーションの快楽を土台にして、いかに自分なりのアニメを作り上げるか。
「ブラックラグーン」は大塚康夫のルパン三世そのもので、「マイマイ新子」はトトロや、かぐや姫すぎて、、最初は蕁麻疹が出そうになったw。
しかし、劇の後半はそのイメージを完全に覆される。登場人物達の躍動が、思いもよらない方向に作品を引っ張り、キャラクターの苦悩や葛藤を超えた世界への気付きに辿り着く。
ここまで完璧に引用するのも中々清々しい、と上から目線で感心した輩を刺す。。これこそが、片渕氏の真骨頂なのだ。

「彷徨える河」は、まさに同じ構造を持つ稀な映画だ。引用のさきにあるものとは何か?
アマゾンの奥深くに1人で住むシャーマン、カラマカテ。
彼を訪ねるヨーロッパの若い人類学者。二人は神秘の薬草を求め
ジャングルの河を下る。人の業、死、信仰と不条理。
真に求めるものからは遠ざけ、奪おうと偽って求めるふりをしていたものに
与える。時間の隔たりはある。しかし反省ではない。デタラメな世界で
人は生きている。死んでいく
本で読んだ南米の幻覚植物ヤヘイを思い出した。薬物のようにトランスするためでなく、彼らにとっては世界や自然を知り、真理と語らうためのもの。
yoruichi

yoruichiの感想・評価

3.7
物欲でガツガツした文明社会に生きる者とジャングルで生きる先住民族の知識や知恵をうまくブレンドできたら もう少し楽に生きられる世の中だったかも。無理だったからの結果だろうが。快適に暮らす、欲求を満たす、その為に失った人間の特性。便利に不快なく暮らせるって 考える事をしなくて済む怖さがある。だからって 今 ジャングルに放り込まれたら 自然に瞬殺されるけど笑。
自然と共に生きる人々の言葉や思想は現代のストレス社会を生き抜くヒントになるような気がする。。
yaaa

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4.0
部族映画。

人を食べたり、舟が転覆したり、肌の色がナス色になったりせず、地味に淡々と幻の植物を求めてカヌーでゆっくり川を下るだけ。
これが深夜に流れる環境映像みたいにボーっと観られる。
文明の侵略と文化の消失、先住民と白人、カラーでなくモノクロ、ヘルツォークと地獄の黙示録と言ってみたい…と小難しいことがあるのだろうが、単純に相容れない同士の道中はおもしろい。うっすらと冒険ものだし。
最後のどえらいロケーションは見ものだし、一部カラーは愛嬌として受け止める。
ものごとを白と黒、善と悪だけで語ることができるのなら、文学も映画も必要ないだろう、と思う。

交錯する時間とアマゾン河と心の狭間を往く、なんとも壮大なロードムービー。

近代化批判や植民地としての怒りという側面はもちろんあるのだけど。それだけでは語れない、諦念や哀しみや受容、かつての文明への憧れや畏怖の念、言葉では語れない複雑にからんだ想いを飲み込むように、ただただ流れ続けるアマゾン河の、その奥深さが、よかった。

彼は何かを見つけたのだろうか。
mayu

mayuの感想・評価

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解釈が追いつかないくらい壮大な何かを観てしまった。どんなにたくさん本を読んで、地図を見て、映画を見て、莫大な知識を蓄えても、コロンビア奥地の大自然を目の前にすると無意味になるんじゃないかとさえ思えてくる。知識は実際に体感して自分の一部にならなければ虚像でしかないというか…

現代社会においてイニシアチブとなっている西洋科学も、自然の脅威をありのままに受け止めて生きるアマゾンの先住民族のアイデンティティやある種の悟りには到底敵わない気がする。とはいえ私は今、電気を付けてクーラーを効かせて映画を観てるので、近代文明を真っ向から否定なんてできないけど、おかしい部分はたくさんあるよねって気づける映画。

何を言っているのか自分でもよく分からないので、また観ようとおもいます。笑
kimnorah

kimnorahの感想・評価

4.0
モノクロームの映像がとても美しい、本当に起こった事というか、全てが夢だったような気にさせられる。出てくる人々や出来事も夢で見るような、現実っぽくない感じがある、知らない世界過ぎて。
大昔は人間も今よりもっと色々な人達がいて、今人間が他の動植物に感じるように地域によって千差万別だった事を想像させる。
桃尻

桃尻の感想・評価

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2018(61)
コロンビアのジャングルで時を超える
遡上する河と時空、密林の蛇たち
matsuitter

matsuitterの感想・評価

4.0
2015年のアカデミー外国語映画賞ノミネートのコロンビア映画。

実際に残された研究記録を基にしており、アマゾン河で秘薬を求めて河下りをする展開が時間を忘れさせ瞑想的な精神状態に至る。時代を経ても全く変化しないアマゾン河をモノクロ映像で表現していてまさに呪術的な鑑賞体験だった。

以下のレビューが好きです。
https://movies.yahoo.co.jp/movie/彷徨える河/356867/review/観る人が選ぶ映画/52/
https://movies.yahoo.co.jp/movie/彷徨える河/356867/review/アマゾンの神話/40/

ネガティブな点。

アボリジニ、シャーマニズム、河が出てくる映画って過去に「地獄の黙示録」「アギーレ神の怒り」「デッドマン」などを観てるけど、全部途中で寝ており個人的に地雷。そして本作もやっぱり寝たw 面白いんだけどもいかんせん映像がワンパターンでプロットも変化がゆっくりなのがね。。
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