大いなる火の山が紡ぐ小さな命の物語。
グアテマラ映画。ハイロ・ブスタマンテ監督の長編デビュー作。
グアテマラのコーヒー農園の小作人一家の娘、17歳のマリアは、同じ農園で働く若者ぺぺに心ひかれているが、両親は農園の所有者、イグナシオ(子持ちの男やもめ)との縁談を決めてしまった…。
ヒロイン、マリアの身の上に起こる出来事を通して、グアテマラが抱える社会問題を描くドラマ作品。
すごく上手に作られている映画でした。
グアテマラの農民の生活といってもいまいちピンとこなかったのだが、映画を見ていくと次第によくわかるようになっている。とにかく生活が苦しいということ、大きな火山(本当に大きい!)を崇めながら、自然と調和しながら暮らしていること、そして、生活や結婚に対して選べる選択肢などないということ。
お話も良くできていて、いろいろと考えさせられる。劇中、マリアは過ちを犯してしまうのだけど、若者の普通の感覚であり、とても責める気持ちにはなれない。うーん、なんとかならないのだろうか…。
子供が困った時に、最後まで味方になってくれるのはやっぱりお母さん。この作品の数少ない救いの存在。
緊迫感のあるシーンもあり、最後まで集中して観れた。なるべく多くの人に知ってほしい映画。