Kuri

リップヴァンウィンクルの花嫁のKuriのレビュー・感想・評価

4.1
1日で3時間の映画を2本。1本目アメコミ大作はあきらかに長すぎていてうつらうつらしながら。2本目は3時間必要と納得できる、この映画を。

岩井俊二監督作品には苦手意識があったのですが、前作"花とアリス殺人事件"をDVDで観て面白くてびっくりしてしまい、今回初めて劇場で。

物語自体は重さはないのですが、繰り返される会話の断片やイメージショットの連なりで空気を作っていくことを大切にしているし、だからこそこの時間が必要になることがわかります。
タイトルにあるように3回繰り返される"結婚式"の中、現実からはだんだん離れてくのだけど気持ちはだんだん近づいてくのが面白いなと思いました。
黒木華さんのコメディアンヌにも振り切れる佇まいが素晴らしいし、綾野剛さんの曲者ぶりもぴったり。

さて、終わり方どうするのかな?と考え始めた頃、こうくるか!と思ったら終わらず、こんな盛り上げ方が!と驚かされても終わらず、あれ?と思う間にあっさりと終わる。
あとで反芻してみると、あそこしかない終わり方なんですよね。

人にはめくるめく物語があって、世界にはそんな人がたくさん生きていて、つまり世界は物語で溢れてるって想像できる終わり方。大満足です。
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