tacky

野生のエルザのtackyのレビュー・感想・評価

野生のエルザ(1965年製作の映画)
3.7
初見の時は、素晴らしいテーマ曲と壮大なアフリカの大地の映像、そしてなかなか野生にもどれないエルザと夫婦の絆に、ただただ感動したものだ。

あれから遥か時を隔てて再見したが、今回は「野生」について深く考えさせられた。

動物園に送る事が果たしてダメなことなのか?人に飼われる事がいけないとは思えない。
本当に野生で生きていけるのか?今回はたまたまだったのでは無いのか。

元々、エルザを育てるきっかけが親ライオンの射殺なんだが、これが「人喰い」だから駆除されたので、果たして野生に獲物の区別があるのか?背に腹はかえられ無い、それが野生の本能である。

どうも、捨て犬や捨て猫の問題、餌不足で人里に降りてきたヒグマの問題、などが頭によぎった。

そして、そういった問題を凌駕するほど感動するのは、この学者夫婦の動物への愛が中途半端ではないことだ。だから、タイトルの BORN FREEの意味が重みを増すのである。

この後のこの夫婦が辿った運命を鑑みると、哀切を禁じえないのだが‥
tacky

tacky