ミーハー女子大生

ダンガル きっと、つよくなるのミーハー女子大生のレビュー・感想・評価

5.0
 ずっと気になっていた映画ですが、ずっとスルーしてしまっていて、もうすぐNetflix配信終了ということで鑑賞。

オープニングで「今作は主要キャストは実名ですが内容は脚色してします。」という説明文が出てくる。
これは実話ではあるがラストまでの過程は少しいじってますという事を言っているのだろう。  

でも、観てみるとそんな説明ぶっ飛んでしまうほど自分の期待をはるかに超える感動号泣スポ根映画だった。  

内容はレスリングのインドの国内チャンピョンにまでなったが生活の為に引退したマハヴィルはその夢を息子に託そうとするが、生まれてきた4人の子が全員女の子という結果に彼の夢は打ち砕かれた。  

しかし、長女のギータと次女のバビータがある日いじめっ子の男をボコボコにしてしまい、それを見たマハヴィルは彼女達に自分の格闘DNAを感じ、それから止める妻を説得して彼女達にレスリングを教え鍛えていくとくストーリー。  

確かに物語の途中で物申したいところはいくつかあるのだけれど、インド映画って本当に不思議で日本映画だったら間違いなく叩かれるのにインド映画だとそれが許せてしまう魅力がある。  
多分、そんなことどうでも良くなってしまう位それ以上に観客に感動をもたらしてくれるからだろう。  

本作も嫌がる彼女達を厳しく特訓する様子は正に「巨人の星」の星一徹ばりのスパルタ教育だが、その中でもちゃんとマハヴィルの娘達に対する愛情が伝わってくるし、長女のギータと次女のバビータも最初は女の子らしくないと逃げる事ばかり考えていたが、父親の気持ちを理解すると真剣にレスリングに打ち込む姿に気持ちが込みあがってきた。  

また、内容も最後は娘が金メダルを取る話だと思っていたら、途中で「あれ?今作ってもしかして最後に長女と次女が戦う話?」と思わせる展開になるのだけれど、そこでまた話を180度変えているのもいい意味で驚かされた。  

最後の決勝戦のシーンはやっぱりマハヴィルが見てる前でやって欲しかったのが本当に惜しいと思ったけど、マハヴィルが娘達に「戦い方はおしえるが、最後に戦うのは自分だ!」という回想シーンを入れている事からその理由が理解出来た。  

そして、一番驚愕させられたのは、今作は長女のギータと次女のバビータの幼少期と青年期の2部構成みたいになっていて、もちろん幼少期と青年期で演じている女優も違う。  

でも幼少期で演じた女優も青年期で演じた女優も特訓シーンや試合のシーンにスタントマンを一切使ってなく自分で演じているところは本当に凄かった!  
「うわ、これは痛い。」と思わせるシーンがたくさんあるのに普通にやってるし、レスリングの練習のシーンや試合のシーンなんて本物のレスリング選手と混色無いくらい上手い。  

だからこそ2倍も3倍も4倍…それ以上に本作に感動を吹き込んでくれた!  
全てにおいて自分の求めていた以上のものを見せてくれたこの作品は間違いなく私の今年のベスト1候補です!

チラシとかを見ると正直冗談っぽい感じに思えてしまうけど、絶対に観て損はないし泣けて且つ胸が高鳴るスポ根映画なんてここ近年無いので、最近話題作の公開が多くてなにを優先して観るか困っている人がいたら、私は今作を絶対一押しします。

ストーリー 5
演出 5
音楽 5
印象 5
独創性 5
関心度 5
総合 5.0