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ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出のnodriguezのレビュー・感想・評価

4.0
第二次世界大戦の終戦を正式に発表した1945年5月8日のイギリス。第一王女のエリザベスと妹で第二王女のマーガレットは民の声を聞くという名目の下、国王から外出の許可をもらい、歓喜に湧くロンドンの街にお忍びに繰り出します。護衛の憲兵付きで上流階級が集まるホテルに連れていかれた二人でしたが、憲兵の隙をついてマーガレットがホテルの外へと遊びに出掛けてしまい、妹を心配したエリザベスもまた未知なる夜のロンドンへと飛び出してしまうのでした。

若きイギリス王女たちがお忍びで夜のロンドンを訪れ、様々な出会いやハプニングに見舞われながらも、国民の暮らしぶりや真実の声に触れていくロマンスヒューマンドラマです。

それなりに位がある女性を主人公としたお忍びストーリーはいつの世も、見ていてわくわくドキドキするものですが、本作も例に漏れず、大衆文化に戸惑いながらも理解しようとする二人の王女の姿が可愛らしかったです。

ただのお忍びコメディではなく、戦争に勝ったという喜びを国民と共有する一方で、大切な人を亡くし悲しむ人々や戦争によって生活もしくは人生を壊されてしまった人々の姿をきちんと認識するシーンもあるため、国民のありのままの姿を見ることで王族としての務めを自覚するという主テーマもあるように感じました。

史実かどうかはちょっと不明ですが、それでも王女二人がロンドンの夜の街に消えるなんて、当時はとんでもない事件だったのではないでしょうか。

それにしても第二王女マーガレットのはちゃめちゃっぷりには肝が冷えました。エリザベスと一緒に、マーガレットに振り回される映画だと言えます。(笑)
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