ぴろぴろ

ブランカとギター弾きのぴろぴろのレビュー・感想・評価

ブランカとギター弾き(2015年製作の映画)
4.6
これは観て良かった。 スラム街に生きる孤児の少女ブランカが、盲目の路上ギター弾き・ピーターとの出会いを通して成長していく姿を描く。
ド直球に心に響く、温かくて力強い爽やかな映画だった。 ラストシーンの、自分の居場所を見つけたブランカの笑顔が最高に輝いていて、彼女の未来が幸せと希望に溢れています様にと願わずにはいられない。
絆って血の繋がりがばかりじゃないんだなぁ と。 本物の家族の様な存在にもなれる、お互いを大切に思い合えば。

今日を必死に生きるしかないストリートチルドレンの現実。 そりゃあ、したたかで小賢しくもなる。 同い年位の子供が母親と一緒にいるところを目で追う姿は痛々しい。
まだまだ大人の擁護が必要な年頃なのに、窃盗や裏切りが日常の世界に身を置くしかない彼らは、「ゴミはゴミらしく」と、清く正しくは生きられないと既に達観している様。 それでも悲壮感よりも、生き生きと力強くて逞しくて健気で、人間くさい。
フィリピンのオネエ達もイイ味出してた。
ブランカの哀愁を帯びた歌声と、ピーターが言った「人は見えるものにこだわり過ぎている。 盲人だけならば戦争も起こらない」が心に沁みる、短いながらも素敵な映画だった。
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