Narmy

日本で一番悪い奴らのNarmyのレビュー・感想・評価

日本で一番悪い奴ら(2016年製作の映画)
3.5
1975年、全国優勝(柔道で)を狙う北海道警察に請われ、翌年あっさりと警察官となる諸星要一。
柔道は強いんだけど真面目でどんくさく気のいい諸星は、犯人逮捕の際もミスだらけで他のチームに先を越されてばかり。
署に戻るとチームを組む先輩には小言を言われ、お茶だしと調書を書く日々が続く。
そんなある日、大先輩村井に飲みに誘われる。
村井から調書なんか誰かに任せ、犯罪摘発毎に貰える点数を稼げと言われる。
そして、点数を効率よく稼ぐためには、裏社会にS(協力者)をつくることが大切だとアドバイスされる、、

見るからに純粋で流されやすい諸星は自分なりに対策を立て、村井の教え通り点数を追い求めるようになっていく。
ストーリーとしては、割と先の読める展開。
ただ、これが実話ベースだと思うと、ここまでのことがあるなんて本当にこれは日本での出来事なのかと疑問が湧くくらいの突飛な内容。
市民を守るということも何処か根底にはあったのだろうけど、その為には手段を選ばず裏社会を相手にするならこれぐらいは当然のことだと言わんばかりで後味が悪い。
観終えた頃には警察だけでなく税関や検察まで信じられなくなってきた((•﹏•๑))

ただ、映画としては綾野剛の何処かに気の弱さを秘めつつ成り上がっていくという性格描写が繊細に表現され、なぜこの事件が引き起こされたのか納得いく背景がうまくえがかれる。
全体としてはコメディ要素を織り交ぜ、70年代っぽいボーリングだったり女あそびだったりが大げさなくらいに色を添え、スピード感溢れる展開にえげつない闇の部分も多少やわらぐ。
警察官どおしの犯人のとりあいとかカレー屋の名前とかは不謹慎だけど笑えるし。

小さい利は捨て、大きな利を得る。
普通の企業ならそれでいいとはおもうけど、それが警察で、扱うものが犯罪なら小さかろうが大きかろうが関係ない!

諸星自身は少しの気の迷いもなかったのだろうか、、
褒められたら、また頑張る、大人になりきれていない子供のような人だったのかな、、
染まりやすい性格なのか、あまりにも環境が悪すぎたのか、、
どちらにしろ諸星は当然許される訳では無い。
そして、悪い事だと確実に分かっていた上で涼しい顔して煽る上司たちの軽さだけでもかなり受け入れ難いのに、上司たちのさらに上がいたかもしれないと思うともう恐ろしさしか残らない。
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