チョマサ

貞子vs伽椰子のチョマサのネタバレレビュー・内容・結末

貞子vs伽椰子(2016年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

貞子VS伽椰子のタイトルにどっちが勝つんだろう?って思って見てみたけども――
そうだよね、プラスとマイナスみたいに打ち消し合う存在じゃないよな。相合わさってああなるのは当たり前な気がする。
取り敢えずあのラストにはあっけにとられたのとスゲーこんなオチありかよ考え付かなかった。全部台無しになるラストだけど、見てる側にとっちゃ許容できるオチと思う。

リングシリーズも呪怨シリーズもちゃんと見たことがない。この二つのブームに直撃した世代だけれども、やっぱ怖くて結局ちゃんと見た覚えがない。学校の授業とかレクリエーションで観たとは思うが覚えていない。

だから前知識がそんなになかったのだけど、面白かった。一週間の設定が二日に縮められてたりしてたり細部に変更はあるみたい。

冒頭の職員さんが独り身の老人の家を訪ねるところや、夏美のお祓いの展開、鈴花の母や経蔵の断面や4人の小学生のところは怖いなと思ったけど、他の笑えるところのほうが目についたな。

甲元雅裕さん演じる森重教授がほんとうに楽しそうで、お祓いの婆さんを助けようとした時の「まだ全部を見ていないんだー」にオタク魂を感じた。

夏美を演じた佐津川愛美さんは『ヒメアノール』でもそうだったけど体を貼れる女優さんなんだな。水をがぶ飲みしたり顔を引っ叩かれたり、呪いのビデオを見せられたり、酷い目にしかあってない。

山本美月さん演じる有里はトラブルメイカーだけど、自分から犠牲になって友人を助けようとしたり、そういうところがあるから好感が持てた。

鈴花は美人だったこと以外は薄いのだけど、映画の中で一番華があった。パンフレットに使われてる写真よりも劇中のほうが美人だったな。

鈴花が家の門の前を通りすぎた時になにか白いものがいるなと分かるんだけど、そのあとにまさかのアップでここに映ってますよと見せつけてくるのには吹いた。

あとはリサイクルショップの店員さんが二日前にチェックのために見たんですよとか、夏美が呪いのビデオをネットにアップしたりと、まぁ悪気がなかったり一人で死にたくないとかあるんだろうけど、なんでそんなことしたのってツッコまずにいられなくて面白かった。もうこの時点でそうとうヤバいことにはなってるんだよな。

貞子も伽椰子もどっちも悪質なのも面白かった。絶対に呪い以外での死を許さないところや、鈴花に幻想を見せてまで家に引きずり込もうとするところとかホントに悪質。いい。

経蔵と玉緒のコンビは漫画みたいでいい登場人物だった。ものすごくうさんくさいし、謎の理屈でぐいぐい引っ張っていく。

この映画はバッドエンドなのだけど、見ていて気が滅入ることもないし、なのにこれヤバいんじゃないかと思いながら見られるのは凄いとおもう。

聖飢魔Ⅱの主題歌はテラフォーマーズのやつより良かった。
監修に鈴木光司さんが入ってたけど、もうリングシリーズで一生食っていけるんじゃねえかなと思った。
チョマサ

チョマサ