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君の名は。のabokadoのネタバレレビュー・内容・結末

君の名は。(2016年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

※あらかじめ、とても長くなるのでそれでも読んでいただける方は先にお礼を、ありがとうございます。4,8てのは自分ルールでほぼ5なんだけど一回で5はもったいないという個人判断です。

新海監督チルドレン(学生の頃から)としてはこの作品は前作、言の葉の庭や秒速5センチメートルで描くあまりにリアルな若者たちともっと前の雲の向こう、約束の場所や星追う子どもの様な現実には起こりえないファンタジーを合わせた正に集大成といえる出来でした。前作ありきの結果が君の名は。だと思う。

主人公の瀧と三葉は今までの新海監督が描いた『大人びた子供』又は『おとなになりきれない大人』ではなく等身大の高校生達てのも魅力の一つかと。
言わずもがな作画の美しさ、頭に焼きつく空や星、そんな自然を爆発させたような地、『糸守』。
そこが起点となる不思議の連続、あの神秘的な所だからこそスッと入ってくる。
散りばめられた伏線をしっかり最後まで回収してくれて一つ残した謎。それは新海監督の舞台挨拶に行き話を聞いたという友人からヒントを得て推測したものだが、瀧と三葉の飛んでる世界は一つの時間軸ではない、パラレルワールドだとしたら本来あってはいけないものがあったり消失したりと納得がいく。
それでも一つすべての時間軸を繋げる場所があるとすればそれは『糸守』で、おばあちゃんが言った糸の結びのくだり=時間は絡まって、ほどけて、ねじれてまた繋がってというのも納得がいく。
あくまで自分の考えですが。

どんなに記憶が薄れても感覚は大切だったものを覚えてる。大人になってから何かを日々探して電車が並行している時にそれをみつける。あの瞬間がたまらない。大人になったら走り出したくても走り出せない瞬間があってでもきっとそれは絶対逃しちゃいけないものなのもしれない。
監督はこの作品は『思春期は何かの前日にいる』という意味も込めて作ったそうだ。作品で言うとティアマト彗星のあの日を指しているのかな。あの日があったからこそ不思議な体験ははじまり出会いそして終わりからの救い。
生死は表裏一体なんだなぁと。

そして忘れちゃならないRAD WIMPS、自分は高校からファンで音源もほぼ持っていたけど最近は正直個人的には来てなくて大丈夫かなぁ?と思ったけど前前前世を聞いた時にそれが吹き飛んだ。
監督が1年前から洋次郎に脚本をみせてそれを元に作った曲達だそうだ。だからこんなにもピッタリで歌のない挿入歌達も耳に残る。作品と音楽は密接な関係でいてそれが響くってこと改めて思った。
まぁ歌詞が女々しくて嫌いって人も多々いそうだけど、そういうバンドだから仕方ない。
新海監督はいつも音楽がズルい。
新海監督ファンだからこその贔屓目はあるかもだけど自分はこの作品が大好きになったしまた新たな発見を探して映画館に行きたいと思う。
ラストも秒速を想起させて今回はハッピーにしてくれて感謝。勇気を出して話しかけた瀧にもお礼を言いたい。

そしてやっぱり、、、
『来世はクォーターのゆるふわ女子にしてくださぁぁあああい!』と。残しておく。
スパークルを聞きながら。。。
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