Hondaカット

君の名は。のHondaカットのレビュー・感想・評価

君の名は。(2016年製作の映画)
4.3
87点。新海誠監督作品は、基本は、恥ずかしい…と思いながらも、たまに琴線がビンビン振れてしまう位にはファン。今回も似たような感じだが、過去最高峰に良かった。序盤20分は何よりも赤面する。でも後半の展開を観るとわざとそういう入り口にしたのかと思うほど語り口に強烈な意志を感じた。

赤面ポイントで言うと、大作ゆえんの(おそらく)オトナの事情満載であるRADWINPS。これは本当にいただけない。一部に「映像にあってる」という評価もあるが、ただ楽曲に映像の方が寄り添っただけだ。別に邦画の門外漢のミュージシャンだって構わないんだけど!、本・当・の・映・画・音・楽・を作って欲しかった。オープニングなんて見てられない。

それを差し引いても映画後半の展開は素晴らしかった。一筋縄ではいかないプロットとは想像したものの、今の日本人の心に染みついている大震災というものに対して、【アニメーションにおけるこういう奇跡があってもよかったのに!!!】というフィクションの創り手の意志が痛いくらいに感じられて、最後の作戦のシーンは泣けてしまった。

フィクションと現実は違うかもしれない。でも、希望を見せることは何かの意味を持つ。同じように、震災と向き合った『シン・ゴジラ』と、方向性は違うけども、その出来事に日本のフィクションのエンターテインメントが落とし前をつけようとしてるのは同じで、何よりも胸が熱くなった。
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