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君の名は。のmoekoのレビュー・感想・評価

君の名は。(2016年製作の映画)
4.2
すずめの戸締り公開記念に過去作再鑑賞。新海誠の名前を世に知らしめた大ヒット作ですね。
彗星が地球に大接近する日、東京に住む瀧と飛騨の村に住む三葉の中身が入れ替わるようになります。原因もわからない不定期な入れ替わり生活を送る中で、2人はお互いの存在を身近に感じるように。そんなある日、瀧は三葉に会うため糸村を訪れます。しかし、そこでは思いもよらない真実が待ち受けていて…。
ジャンルはSF青春映画といったところでしょうか。例えば言の葉の庭のようにこれより過去の作品も含め新海誠の作品は瑞々しいですね。まず、今では美術の教科書の写実のページにまで載るようになった新海誠の絵、誰もが認める素晴らしい風景です。ただ写実が上手いというだけではなく、とてもキラキラしていて、瀧が就活の時に言ったように、人が生活する風景を大事にしたくなるような美しさがあります。その中で繰り広げられるストーリーが本当に瑞々しくてキラキラしていて、キュンとして涙が出そうになります。瀧も三葉も真っ直ぐで、誰かのために走る姿が鮮烈です。とても眩しくて、少し羨ましくなります。この瑞々しさ、きっと私にもあったものなんだろうな、と思ったり。
SFなので現実世界ではあり得ない設定だけど、でも、大切な誰かをずっと探し求める感覚は身に覚えがあります。きっと誰もが誰かを探し続けていて、この作品を見ているとその気持ちが呼び起こされて、少し胸が苦しくなる感じがします。簡単に言ってしまうと運命の人を探し求めるということになるのでしょうか。そんなストーリーの中で放たれる「君の名は」という台詞、最高です。
ネタバレになるから詳しくは言えないけど、あの真実が明かされるまでは気楽に楽しめるSF青春ラブコメ。しかし、後半の怒涛の展開と更なる胸キュンは、本当に素晴らしかったです。秀作ですね。またいつか見たいと思える作品です。
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