けろ

何者のけろのネタバレレビュー・内容・結末

何者(2016年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

芸術という世界に飛び込んだ全ての人に刺さる映画。

就活が始まる時。
肩書きがあるという当たり前から抜け出した瞬間。何者であるかを自分で決めなければならないときが訪れる。

それを得ることが就職活動のように思える。
それなのに、内定をもらって、他人に認められて、立派な肩書きがついても、何者にはなれないらしい。つまりそれは、ただの安心材料のようだ。

いくら安心したところで、自分が自分に認められなければ、何者にもなった気はしないのかもしれない。何者かを決めることが出来るのは、自分だけなのだろうか。

140字のツイートや1分の言葉では、何者かなんて語りきれない。それが人間だ。つまり、1人の人間を肩書きや定型文なんかで表すことなんてできない。良い所も悪い所も見つけながら、自分と向き合い続け、見えてくるものこそが「何者」の答えなのではないか。

就活をしなかった理由は、みんなと同じになるのが嫌だった。芸術を捨てられない私には耐えられなかった。そんな理由で就活から逃げたことで、自分が何者であるかを考えることを避けた。随分と遅れてしまったけれど、何分かかっても、なんツイートでもしていいから、書き綴ってみよう。私という人間を。私だけの「何者」を。
けろ

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