Kuri

何者のKuriのレビュー・感想・評価

何者(2016年製作の映画)
3.8
朝井リョウ加藤千恵のANN パトロンだったので、映画化が決まった時から楽しみにしてて、公開日に鑑賞。原作のテイストを活かしながらしっかりと映画になっていて、驚きました。
いや、満足しました。

もともと小説自体、読み手の自意識に手を突っ込んでくるような意地悪かつ挑戦的な内容なので、そのまま映像化するとSNSしながらの独白が続く退屈な作品になってしまうのではと心配してましたが、
監督の出身である演劇というフィクションをひとつ挟んで、
心理描写を映像で見せてくれるので常に動きがある中で物語が進んでいくのがとても気持ち良かったです。

原作にもある一番のクライマックス、ラスト手前のちゃぶ台返しシーンは小説に強く感じたホラー映画的な怖さがかなり薄まっていて戸惑いましたが、実はそこが映画の構造の説明になっていて、納得。
それら全てを照らす光のような有村架純さんの神々しさは、まったくなんなんだ。

意識しなくてもよく耳にする主題歌も映画内容にあっていて、好きな曲だからもありますが、エンドロールに流れても気にならなかったです。
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