矢吹健を称える会

KUBO/クボ 二本の弦の秘密の矢吹健を称える会のレビュー・感想・評価

KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)
2.8
 おそろしく沈鬱なムードで始まるうえに、お母さんなんかほとんど狂人なので「こういうテンションの話か……」と身構えた。しかし「三種の武具」だかなんだかを探す旅が始まると、サルと虫との軽妙なかけあいなど、どこぞのファミリー冒険映画等で既視感アリアリの、いわゆる"気の利いた"セリフのやりとりが始まる。これがかなりキツい。面白くないんだ、面白くないのにずっとやってるわけ。バトル中でも欠かさずジョークを言ってるわけ。
 いやまあ、単純につまらないだけならまだしも、その後の展開で両者(サル&虫)の来歴が判明すると、何をどう感じればいいのかもわからなくなる。

 それからバトルシーン。ストップモーション技術の達成度はすごいと思うし、キャラの造形や折り紙のアイデアも目を瞠るものはある。けれども、「ターン制かよ」と言いたくなるくらいお互いに喋りながら戦っているのはどうかと思うし、バトルがクライマックスになると画面がホワイトアウトする演出が繰り返されるのも興ざめ。
 そんな感じでどんどん見る気が失せてしまい、もう終盤は殆どろくに覚えてもいない。