回想シーンでご飯3杯いける

KUBO/クボ 二本の弦の秘密の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)
3.2
古代から中世辺りをイメージさせる日本を舞台に、片目の少年が父母の敵討ちの旅に出る様子を描いたストップモーション・アニメ。物語の中で、灯篭に先祖の霊が降りて来る行事が描かれているのだが、その描写がピクサー製作の「リメンバー・ミー」を思わせる。アメリカ人にとって先祖との交流を図るこれらの営みは、とてもスピリチュアルなものとして映るのだろう。

主人公クボは三味線の達人で、音楽を奏でることで折り紙に命を与え、意のままに操る特技を持っている。このシーンでのストップモーション・アニメによる表現が抜群に素晴らしく、アメリカ製作の映画に、日本の音楽と遊びの面白さを教えてもらった気持ちになる。

ただ、ストップモーション・アニメが流麗過ぎて、実際CGも使われているようなのだが、1コマ、1コマを積み重ねていくような繊細さを感じるシーンが少なかったのは少し残念。三味線と折り紙をもっとフィーチャーして欲しかった。