ユースケ

ダンケルクのユースケのネタバレレビュー・内容・結末

ダンケルク(2017年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

第二次世界大戦のダンケルクの戦いにおいてドイツ軍に追い詰められたイギリスとフランスの連合軍40万人のうち331,226人の兵士を救出した連合軍の大規模撤退作戦=ダイナモ作戦を、デジタル嫌いのアナログ野郎クリストファー・ノーランが映画化。

ホンモノ志向の映像、ホンモノ志向の効果音、ハンス・ジマーの大仰な音楽が作り出す圧倒的な臨場感で戦場に叩き込まれたような気分になれ、戦場を体験させるというクリストファー・ノーランの狙いは成功したと思いますが、バッググラウンドの描かれないキャラクターに感情移入できず、話に乗れませんでした。例えるなら、いい女優さんつかっているのに、本番しかないVR専用AVを見せられたという感じです。

とりあえず、船で帰りたい人(フィン・ホワイトヘッド)の1週間を描いた陸パート、船で迎えに行く人(マーク・ライランス)の1日間を描いた海パート、飛行機で船を援護する人(トム・ハーディ)の1時間を描いた空パートの3つのパートをクリストファー・ノーランお得意の時空歪ませ演出で同時進行で描き、クライマックスで3つのパートを交差させるお約束の構成はお見事でした。

きっとボンクラのクリストファー・ノーランの事だから、ダイナモ作戦のドキュメンタリー番組を見ていて、「ホンモノのスピットファイヤとメッサーシュミットをIMAXで撮りてー!」と思った事が本作のきっかけだったんだと思います。だってそこだけは文句なしにかっこよかったからね。

ダンケルクに向かう船で無駄死にした少年を英雄に担ぎ上げる美談ぽいエピソードは必要だったのかな…