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シング・ストリート 未来へのうたのKUBOのレビュー・感想・評価

4.0
今日は「シング・ストリート」を見てきました。「ONCE ダブリンの街角で」「はじまりのうた」に続くジョン・カーニー監督作品。前2作は大好きな作品でしたが「また音楽もの?」と思って見ないでいたら巷での評判がとてもいいようなので、遅ればせながらの鑑賞です。

デュラン・デュラン、a-ha、ジェネシス、そしてなぜかヴィレッジ・ピープル。この辺のワードにニコニコしちゃう80年代の洋楽の洗礼を受けた世代にはズルいくらい楽しい映画。監督の自伝的映画らしいが、バンドと歳上の女性に恋する10代の青春! 誰もが共感できるキラキラした作品です。

劇中に流れるバンド「シング・ストリート」のオリジナル曲は出来過ぎなくらいいい曲だけど、これも監督の自作というのだから、その多彩さに驚かされる。ロンドンに憧れる閉塞したアイルランドの若者の空気感もよくあらわれていて、あまり普段考えないアイルランドの立ち位置までよくわかる。

それにしても音楽映画だけで3作。低予算で始めた「ONCE」。キーラ・ナイトレイとマルーン5のアダム・レヴィーンでメジャー感が増した「はじまりのうた」。そしてキャスティングは安くても80年代の洋楽で彩った本作「シング・ストリート」。それぞれ切り口の違う音楽映画を創り出してくるところは流石。ただヒロインがもう少し可愛ければ星ひとつ追加だったのになぁ。それから80年代の洋楽聴いてワクワクしない世代の人たちにはきっと星ひとつ減、平凡な青春映画になっちゃうかも。どちらにせよ同時代性が求められる作品であることは確かですね。

ジョン・カーニー、大好きな監督だけに、次はいい加減音楽一辺倒からは離れるのか? それともやはり音楽映画なのか? 楽しみに待っていよう。
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