さく

ダゲレオタイプの女のさくのレビュー・感想・評価

ダゲレオタイプの女(2016年製作の映画)
3.0
嫌いではないのだけれど、ちょっと退屈してしまった。黒沢清は『クリーピー』で入門して、結局他の作品はまだ観れていないのでこれが二本目の鑑賞。

ここからネタバレあります。


退屈してしまった理由は明確にあって、これは「そんなもん黒沢清の作品に求めるな!」って話なのかもしれないけれど、もう少し「マリー(コンスタンス・ルソー)は結局生きてんの?」みたいなのをボヤかして欲しかったんですよね。あまりにも早い段階で(というか観てるそばから)、「ああ、死んでるよねこれ」って分かってしまう脚本、流れなので、その後の展開がどうも盛り上がらない。

別にサスペンス映画ではないので、そういうのを求めることが間違いなのかもしれないけれど、決して「うまい」とは言い難いなぁと。ジャン(タハール・ラヒム)が台詞の細部は忘れたけれど「現実に思えない…」みたいに言うシーンも、客からしたら「知ってた」って話で、いちいち台詞でそれを言っちゃうのもちょっとダサいなぁとか。

最後の車のシーンでようやく「あ、そうだったのね…」みたいな感じの仕上がりにしてれば、「うまいねこりゃ」ってなったと思うのに。

あえて意図的にそういう情報を開示して変な感じのまま進めるのが黒沢清っぽいタッチなのかもしれませんけど。
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