April01

アウトブレイクのApril01のレビュー・感想・評価

アウトブレイク(1995年製作の映画)
3.6
コロナを経験している今だから、単純に善悪の二元論で観ることができなくて、その分面白みが半減してしまったかも。
普通に考えれば、ドナルド・サザーランド演じるマクリントックが悪者、モーガン・フリーマン演じる部下フォードは良い人、さらにその部下ダスティン・ホフマン演じるサムが最も良い人、なんだろうけれど、それは結果論ではないかと。
もし物事があんなに上手く運ばなかったらどうするの?と思わずにはいられなくて。もう少しサムが選択肢の狭間で揺れ動いて上司を糾弾するばかりでなく葛藤してくれれば政治物としてもリアルさが増したのだけれど。
しかも一応臨床試験という言い訳はあるけれど、結局元妻を助けたいという動機が前面に出てしまったのが残念。夫婦の物語はいらなかったのに。
ケヴィン・スペイシー演じる同僚に至っては、あの場面で友人の男女関係なんか心配して良い人すぎるにも程がありまして。
ただ医療従事者や研究者の危機感や現場の大変さは良く伝わってきたし、空調に目がいく場面などリアルにパンデミックの恐怖を感じる場面も多くある。

とにかくレネ・ルッソが美しい!特にダスティン・ホフマンの顔に触れるシーンの手指の白さと綺麗さに目が釘付け。さらにパトリック・デンプシーが脇役だけど存在感あり印象に残る。
April01

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