真田ピロシキ

パワーレンジャーの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

パワーレンジャー(2017年製作の映画)
3.1
ニチアサには子供の頃からほとんど興味を抱かず仮面ライダー龍騎をたまたま見てた程度。だからスーパー戦隊にあーだこーだ言えることは全くない。アメリカ版への注文なぞ当然なく、元々が子供向け番組だと分かっているから割り切ることができる。大変ありがたい。

対象層はトランスフォーマーを見てたようなティーンエイジャー。青春バカ犯罪から始まり青春ジャンプに青春ダイブ、それらしい青春音楽とティーン映画っぽさ満載。まかり間違っても渋面した大きなお友達が念仏染みた設定や伏線や文化的価値をウッダウダ語り合わせる映画じゃない。ジェダイやアメリカンコミックヒーローのように勘違いさせない。オタクになることを求められずそこそこにゴキゲンな映画をそれなりに見る。ハリウッドエンタメとの距離はこれで良いです。

90分くらい変身しないのは特撮ヒーローを求めていた人には不満であろうが、ティーンエイジャーの精神的成長や落ちこぼれなりの矜持がメインテーマであればこれで良い。内容が薄い?こういう映画に深すぎるものを期待する方が間違っているんです。続編をやると重くて複雑な特撮キャラの話になるので序章で打ち止めして良いです。戦隊パートは特に言うことのないヒーローアクションで退屈でしたし。あ、ロボットジャーマンスープレックスは面白かった。それと悪い女ボス。ヤケクソで巨大ロボに殴りかかって宇宙へぶっ飛ばされるて。格好も行動も全く知的に見えないキャラクターはこういう映画ですら今のご時世マズい気がしますけど。人種に留まらず自閉症スペクトラムのようなマイノリティ性までフォローする今時さを見せる一方でこれは歪。よくこの役を受けたね。