九月

パターソンの九月のレビュー・感想・評価

パターソン(2016年製作の映画)
4.4
有給を取っていた平日の朝に見始め、この映画を観たおかげで今日はとっても静かな気持ちで一日を過ごせた。
映画全体がどこか詩のようで、私には詩が必要だったのか、と思うくらい沁み入った。

ニュージャージー州パターソンに住むバス運転手のパターソン。
月曜日、朝目が覚めた彼は隣で眠る妻ローラにキスをして、一週間が始まる。
朝食のシリアルを食べて仕事に向かい、業務の合間に心に浮かんだ詩を書き留める。
帰宅して、何故か傾いているポストから手紙を取り出し、家の中に入る。
夕食後、愛犬マーヴィンと夜の散歩。途中、バーへ立ち寄り、ビールを一杯だけ飲んで帰宅。ローラの隣で眠りについて、また次の一日が始まる。

そうそう、日常ってこんなもの。一見変わり映えのしない日々の連続だけれど、サプライズや自分にとっては大事件のようなことだってたまには起こる。昨日と今日と明日は確実に違う。
パターソンが出会う人や彼らとのやりとりが可笑しくて愛おしくて、そして心地良い。
週末はともかく、毎日同じことの繰り返し…と思いながら働いている私は、日々を無駄にしてしまっていたような気さえした。

愛犬のイングリッシュブルドッグ、マーヴィン(本名はネリーちゃん)が最高に可愛い。
九月

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