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パターソンのmumbleboyのレビュー・感想・評価

パターソン(2016年製作の映画)
4.0
これも結構長い間観ようと思いつつ中々観れてなくて先日「チキンとプラム 〜あるバイオリン弾き、最後の夢〜」と「ナイト・オン・ザ・プラネット」を観た相乗効果という感じでやっと観ることができました。

このジャケットイメージがどうにも何も起こらなさそうな雰囲気を醸し出してて中々観る気になれなかったのですが観た結果、予想に反してかなり良い、好きな映画でした。

まあほとんど何も起こらない(後半で少し起こりますが)っていう予想は当たっていましたが、その表面的には何も起こらない日常の中で主人公パターソンの内面ではどんどんと新たな詩が生まれていくという不思議なワクワク感を感じました。個人的には詩というのは憧れはあるけど中々理解できないことが多いのでこうやって詩人の人生を垣間見せてくれる作品というのは映画ならではで自分が知らない世界を見せてくれる作品は本当に素晴らしいなと思いました。「チキンとプラム 〜あるバイオリン弾き、最後の夢〜」は作品自体はすごく好きとまでは行かなかったですがヒロイン役のゴルシフテ・ファラハニは素敵で他の出演作品も観てみたいと思い今作では一層にチャーミングなキャラを演じていました。アダム・ドライバー演じるパターソンも至って優しい役でしたが存在感というかちょっと何を内に秘めてるかわからない感があっていつキレるかわからない様な緊張感が漂っていました。パターソンが日常の中に幸せを見出す、そんなことを表現できるのって本当にすごいなって思います。自分も彼ほど上手く出来てはいないと思いますが日常の細かい部分にちょっとした幸せはいつでもあるんじゃないかと思い毎日過ごしています。決して万人ウケする映画ではないと思いますが少なくとも自分にはとても響きました。
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