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パターソンのchelseaのレビュー・感想・評価

パターソン(2016年製作の映画)
5.0
どうしようもないくらい自分だった。ほぼ特に何もないあの一週間、詩の世界観で描かれてるのに反骨も風刺も皮肉もない、ほんわかやほのぼのもなく、定点カメラ的に日常を描くことで意義を持たせる手法でもなく、なんでしょうね、なんでもないんです。何も起こらない。しかしなぜか一週間と言わず、わたしは一か月見てられる。こんな消極的なレビューしか出来ない自分が恥ずかしいけど、なんなんだろう、どうやったらこんな映画。ジャームッシュ。
一番おもしろかったのは精神世界にいる主人公とは真逆に生きるアクティブアグレッシブな妻。「わたしの夢、叶うかも…」に対する「えっと、どの夢だっけ?」て彼のセリフには笑えた。やりたいことありすぎる系妻ね。彼女の描く白と黒の奇妙奇天烈な模様は日に日に家中をどんどん侵食していくし、服もあの変な模様になってくし、とうとう出来たその模様のカップケーキは本当に不味そう。その不味そうなカップケーキを箱に詰めるお手伝いをするパターソン、車のトランクに運んで市場まで気をつけて行くように言うパターソン、すべて丸っと受け入れてるパターソンは本当に可愛かった。
永瀬正敏はスーツなのになぜ布バッグなのだろう、変な格好だった。しかし永瀬正敏のカッコ良さを理解出来ず変だと思っても許されるような映画だった。
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