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バーニング 劇場版のchelseaのネタバレレビュー・内容・結末

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

主人公は確かソンギュンガン〜では一匹狼の色男役だったけど、今回は口は半開きでいかにもアホ丸出しな顔つき、金持ちじゃなくてもマウント取れそうな五軍感溢れる歩き方、服もダサい、小説も書けない、とにかく取り柄のない男の役。時代劇で誰かを守るユアインにぽわんとなってたすべての女たちを一瞬で夢から醒めさせる、マジでイケてない人だった。それもとても見事に。
誰とでも寝てそうなビッチのヘミと一度寝た事で彼女を一途に好きになり、やがて執着心を抱くのだが、それは、両親は離婚し、父親は仕事上の過失で実刑、16年ぶりに再会した母親からは借金の話、実家の仔牛は売られてゆき、小説も書けず、お金もない、仕事もない、未来の見えない主人公にとって、久しぶりに芽生えたポジティブな感情というか、たった一つの希望だったのだと思う。
このキャラ設定がないと物語が成り立たないので、なんとなくだけどちょっと過剰にキャラ演出(特にアホ丸出し感)してたとこはあるかなと思った。
ビニールハウスはベンにとって自分に簡単になびく女の人の比喩だったのか。それだとあまりにも普通すぎるかな。
村上春樹というバックグラウンドを完全に取り払って考えることが可能なら、ビニールハウスは焼いてないとしか思えない。
とにかくすべてに現実味がなくて、いかにも曖昧な世界観の小説ぽい。誰かの夢の中みたいな。さすがですね。
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