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情愛中毒のchelseaのネタバレレビュー・内容・結末

情愛中毒(2014年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

鳥籠がたくさんあるパティオ、庭園ピクニック、秘密の花園感、すべてが失楽園を示唆しているようで、途中まではうっとりだった。お洋服や家のインテリア、音楽喫茶の内装もオシャレで、美術がぶっちぎりで良い。奥さまたちがオシャレしてお茶したり美容室でパーマをかけたりしながら陰口を言い合うシーンも、あれはあれで様式美というか。軍人の男たちは権力や称号によってはっきりと上下関係が築かれているけど、なんとなく女性の想像の中の、命を懸けて戦って働く男たち=超カッコいい、という単純な図式を表してるだけな気がしなくもない。
結局スンホンさんがどハマりして自己破滅していくんだけど、男側がああなるってよっぽどだと思うしそこに至るまでどんな心境の変化があったのかは謎で、あの図だとどちらかと言うと夫を捨てていいのは女側の気がするんだけどあんなに愛されても頑なに保守的だったってことはスンホンさんの事そこまで好きじゃなかったンダね、と。
思ったのは、あの女の人はもはや奥さま方すべての星なんだなって。家庭を捨てるつもりはないけど、みんな誰かに死ぬほどめちゃくちゃ愛されたいと思ってる。奥さん含めみんなの前で錯乱して関係を暴露してしまう、とか、一緒に逃げようと言ってきて、断ると自分の目の前で自死を遂げようとするとか、ある日突然誰かがやってきて、彼はあなたの写真を見ながら息絶えたと伝えられる、とか、実際そんなことがあればとても困るけど、そこまで愛されてはみたいという願望をあの若くて綺麗な人にそれを託して私たちはそれを見てうっとりしてみるだけ、というあの奥さま方の頭の中の話のような気もする。
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