cchhiikkaakkoo

パターソンのcchhiikkaakkooのレビュー・感想・評価

パターソン(2016年製作の映画)
-

あなたと過ごす毎日は、こんなにも愛おしい。


月曜日から金曜日、乗客の会話をそっと聴きながら(時には口元を緩ませながら)バスを走らせるはパターソンの街、
土曜日、愛する妻のカップケーキが286ドルも売れたことを自分のことのように喜び、
「秘密のノート」が愛犬にぐしゃぐしゃにされ落ち込みながらも迎えた日曜日


愛する妻の横で迎える朝、起きては手に取る腕時計、ランチボックス片手に向かう職場、ポエトリータイム、建てつけの悪いポストを直し開ける玄関、妻との会話、妻との夕食、愛犬の散歩、途中立ち寄るバーで飲むビール。
パターソンの毎日。
毎日がおんなじようで、毎日が少しずつ違う、「毎日が新しい日」。
家と職場、バスで走り、犬と歩くパターソンの街、行きつけのバー。彼の活動範囲は毎日変わらない。その中でも小さな変化、昨日と違う今日を見せてもらえるのは、他者がいるからこそのものだと思いました。大好きな詩を読み共有することも、喜び、悲しむことも、心配する(される)ことも、相手がいるからこそできるものなのだと。ひとりじゃ世界はなかなか広がらないかもしれないけど、愛するひとと生きてみたらどうだろう。誰かと関わり、誰かと話してみたらどうだろう。もしかしたらあなたの見る世界は昨日と変わるかもしれない。



この間、旦那が草花の生えてるところをじっと見て言いました。
「小さな宇宙がある」って、その言葉にハッとしました。何の変哲もない道端の草花を見て出た言葉でした。何ともないはずのあたしの1日は、特別な日になりました。たんぽぽの綿毛の舞う、風の気持ちいい日でした。
なんて、そんなことを思い出しました。
小さなことに気付き、喜べるこころをいつまでも持って生きていけるひとでありたい。きっとしあわせに生きていける気がするから。
cchhiikkaakkoo

cchhiikkaakkoo