KnightsofOdessa

ジュリエッタのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

ジュリエッタ(2016年製作の映画)
4.0
[] 80点

2016年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ペドロ・アルモドバル長編20作目。アリス・マンローの短編集『Runaway』に収録された短編3本を原作としている。ここのところ変な映画ばかり観てきたので、アルモドバル苦手と言いながらも本作品の冒頭の華麗さには感動した。勃起チンポ像、真っ赤なシャツ、真っ青な手紙、綺麗なブロンド、からの街角で久々に娘の友達に会って開始4分で物語が動き始める。そして、エマ・スアレス、『赤いリス』の頃から全然変わんねえな!と。物語はフリエタと中心に幾重にもねじれた家族の関係性を彼女の回想形式で描いている。中でも夫と出会った電車のシーンが一番面白い。こっちをガン見してるシカの爆走、荷物の落下、騎乗位がそのまま騎乗になるかのような車上セックスと遊びまくってる。ここで登場する禿げたおっさんは、後に父親が全く同じフォルムになっていて、そんな小さなところでも血脈の中で繰り返される不和が見えているのか、或いは記憶が老いた父親で上書きされたか、とにかく細かいなあと。あと、旦那の入れたタトゥーって絶対にアヴァとフリエタという意味な気がしている。
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