真田ピロシキ

ジオストームの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

ジオストーム(2017年製作の映画)
3.3
エメリッヒの映画にしか見えないのにエメリッヒではない。エメリッヒが2時間かけてやる人類虐殺ショーを冒頭3分で解決。何やかんやでトラブル発生してレオニダス宇宙へ。ここまで30分もかからないテンポの良さ。らしくないサスペンス展開でモタつくもエメリッヒ以上に大味な話運びが続くので次第にそんな事はどうでもよくなってくる。どうでも良くならない人はこの辺で見るのを止めた方が賢明です。私は風邪引いて疲れた頭でダラーっと見てたので笑える。だって地球規模の大破壊を行った動機がアレなんですよ。これで権力握っても未曾有の復興作業に追われて良い事なさそうだぞ。誇大妄想のアメリカ万歳野郎なのは現実のアメリカ大統領も同じようなものなので上手い風刺になってると言える?

環境問題に人類共存メッセージやロマンス及び親子・兄弟愛のとってつけた感じもこういう映画としては素晴らしいです。当然メインディッシュは後半では遠慮がなくなる破壊描写。CG以外評価されてない映画であるがそれも正直粗いと思った。天候は良いのだけど街などの無機物が書き割りのようによく見える。その粗さはエメリッヒにマイケル・ベイを加えたような超特盛定食ボリュームでカバー。安いおかげで現実感が薄れてて昨今のブロックバスター映画につきまとう被害の深刻さを忘れさせてくれる。印象としては金をかけたアサイラム映画。さりげなくサメが降って来ても驚かない。

タレント吹き替えは気にならなかった。専業声優じゃないのかなとは思っていたが見終わって調べるまでは演じた人の顔が見えることもなく。上川隆也はロボットアニメのラスボスを熱演した事がある人だし、他の人も悪くはないと思う。何作吹き替えても浮いていた米倉某さんとかよりはずっと。映画自体の大らかさにフォローされてる点はあるかもしれません。