このレビューはネタバレを含みます
ダーレン、ナタリーのネイキッドスワン
2011年5月23日 17時53分レビュー。
FOXサーチライトピクチャー提供。R15指定。ベネチア映画祭コンペティション部門出品。ゴールデン・グローブ女優賞(ドラマ)、アカデミー主演女優賞ナタリーポートマン受賞。ヴェネチア国際映画祭マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)ミラクニス受賞。
音楽クリント・マンセル。監督ダーレンアロノフスキー。
お気に入り映画監督ダーレンアロノフスキー。
貧困家族問題を絡めつつ、麻薬に犯される体感ムービーを作ったお気に入り映画「レクイエムフォードリーム」。
ジェニファーコネリーの素晴らしい悪的ヘンゲが本作で見れます。
そのまんまミッキーロークがメッセージ。静かなロングスマッシュヒット「レスラー」
その男戻るべき場所リング!孤独なでかい男の不器用500%のその、生き様に魅了されるはず!
ダーレンアロノフスキー監督は、個人の内的な心象風景を追求する映像作家であります!
上映1カ月前ぐらいから看板ポスターが張り出され、気合いはいってます的アピール健在。
ジョニデの「進めパイレーツ」先行上映の鬼ゴミをかき分けレイト鑑賞いたしました。
まあぶっちゃけますと、チラシで
ん?
ヴァンサンカッセル!野獣的な、ん?
ミラクニスの魅惑の表情、ブラックホワイト
とチラシで見て正直物語だいたい想像ついたんですなんとなく!
みすすめると、なんとなーく想定内!だったんですが。
いわゆるバックステージ物語であります。男性の方はあまり、ピンとこないかもしれません。女性の方のほうが入りやすいのかも?
作品系譜的には、ハリウッド女優物の
「イブの総て」
「サンセット大通り」
カサヴェテスの「オープニングナイト」を想起します。
芸術、色恋、セックス、純潔、ピュア、愉しみに絡む、あるバレリーナの物語。
どこまでもナタリーの視点、個人的で主体的な視点で物語はひたすら進みます。
いやー!!ナタリー萌のマンで、映画や芸術家バックステージ物大好きな自分でございます。
古くは劇場でリュックヴェッソンの「レオン」からのお付き合いのナタリーポートマン!
ナタリーポートマンファンは、マスト劇場直行の必見オスカー演技、オスカー心、体、頭、顔面のしわ、バレエでございます!
物語は、バレリーナナタリー。熾烈な主役争いに揉まれるナタリー。次第に練習とプレッシャーに踊りも現実も歪んできます!果たしてブラックスワンの踊りの変化はいかなることやら?
本当に素晴らしいナタリーの裸同然の表情!ネイキッドスワンの体現ぶりに驚かされます。
ナタリーの体全身からの踊り魅惑、困惑、苦悩の表情がすべてを物語っております。
ナタリーのみだれっぷり、それは芸術家、アスリートの根本的、根源的な悩みをシンボリックに表現されていると思いました。それは、誇張的に、強弱はっきりとですが、、。
そして、ダーレンアロノフスキーの細かなナタリーをおさえる撮影も必見。
ダーレン必殺技の肩越しに追いかけるステェディカムウォークショットは、
「レスラー」に継いでまた登場!本作のラストはダーレンアロノフスキーの独壇場であります!
またダーレン監督組である音楽クリント・マンセルのバレー音楽も必聴でございます。荘厳で奥ゆかしい音楽に度々さぶいぼ状態。
そしてそして、聞き逃さないで欲しいのが、音!
ナタリーの心内声やスクリームノイズが実は、細やかに繊細に聞こえてまいります。
よく耳をすませてチェッケダーでございます。
人間の主体的で一方的なナタリーの聴覚効果が表現!次第に感心シンクロしていきます。
ミラクニスのまさしく「魅惑な」吐息とあやしい背中とその丸い「瞳」必見!
カッセルのその男っぷり
まんまやないかプライベート的なウィノナライダー(復活してほしいですね!「ビィートルジュース」や「ルーカスの初恋メモリー」で好きになったウィノナライダーファンとしては、、。)
私はうすら黒い寒い気持ちの興奮を怒号のようなバレー音楽に乗り、ざわざわとさぶいぼってラスト衝天しまいました(絶頂)
鑑賞後のクレジットに入るときの気持ち悪いんだけど変な良さが素晴らしい余韻でした!
「さすがダーレン!」
さあ
あなたも素晴らしき白と黒のダンス、ダーレンのネイキッドスワン、ナタリー心を丸裸にして踊ったブラックスワン
ブラックアンドホワイトスワンの複雑なダンスのしらべをあなたの五感で体感してみては、いかがでしょうか!
追記
もう「レオン」の彼女じゃないんだよなー(あたりまえだよ)
本作でナタリー、振り付けの方とご結婚されたんですよね(シュン、ガッカリ)
追伸
本作見た後にブラックスワンのポーズを家で真似したとさ、、おしまいおしまい。