Maiko

婚約者の友人のMaikoのレビュー・感想・評価

婚約者の友人(2016年製作の映画)
4.0
大切な人を想うが故の、優しい嘘。

1919年、終戦後のドイツ。フランスとの戦争で婚約者フランツを失ったアンナは悲しみに沈んでいました。ある日、フランツの墓参りに行ったアンナは、彼の墓の前に花を手向けて泣いているフランス人青年のアドリアンと出会いますが...。

"婚約者の友人"であるアドリアンが抱える秘密は序盤辺りで予測できましたが、やはり辛いです。全ては戦争が悪い...そして真実を知ったアンナが家族を想うが故に貫いた嘘も切なすぎました。アドリアンに"婚約者の友人"以上の感情が芽生えたアンナの心情を思うと、2人のキスシーンに胸を締めつけられました。映画史上最も切ないキスシーンの一つだと思います。パウラ・ベーア(アンナ役)とピエール・ニネ(アドリアン役)の繊細で切ない演技に心を掴まれました。

モノクロ、時折カラーを織り交ぜた映像美で魅せる秀作です✨
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