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青春残酷物語のbrianのレビュー・感想・評価

青春残酷物語(1960年製作の映画)
3.9
「安保‼︎反対‼︎安保‼︎反対‼︎」

女子高生・真琴(桑野みゆき)と大学生・清(川津祐介)の出会いと別れ、そして破滅を描いた作品。

ふたりは若さと好奇心が取り柄で金はない。その場限り、向こう見ずの火遊び。事が上手くいけばいいが、そんなに世の中甘くはない。若気の至りからやがては飛んだしっぺ返しがくる。そう考えると今の若い人の多くは情報に敏感で賢い生き方をしている。

激しいラヴシーンや執拗な暴力シーンなどの描写が衝撃的で松竹ヌーヴェル・ヴァーグという言葉を生み出したと言われる。どちらかと言えば日活アクションに似ていて1950年代の新東宝の雰囲気も感じられる。ゴダール「勝手にしやがれ」のオマージュと言ったら大島監督に怒られるかな。

https://youtu.be/Toi1RwMp7CQ

僕の両親が付き合っていた頃、この映画を観たのだろうか。いや、違う理由だったのかもしれない。この映画に感化されて結婚して子供が生まれて順調に成長したと思いきや、中学生の時にアル中の父が死んで、母が苦労しながら僕と弟を高校まで行かせてくれた。そんな母も今ではすっかり年老いて杖をついて歩いている。それが運命だから仕方ないけどね。社会のせいにはしたくない。結局は自分が社会に負けたと言うこと。
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