「心は山にありました」
山で暮らす老夫婦と、その家族の日々、葛藤を描いた記録映画。
ここまで誠実に人の一生を追い続けたドキュメンタリーは、初めて見ました。
正確には25年だけど、その前後もきちんと補完できているのが素晴らしい。こんな地道な作業、よくやり遂げたな...
「老後は山で」という信念を頑固に突き通す夫婦は、たとえ老人ホームに入っても、毎朝山に畑仕事をしに行く。はじめは反対していた娘たちも、やがては山に入ってゆく...
「何でそんなに山にこだわるの?」
観ている側の疑問が、夫婦に迫り来る死期と共に、それが明確には提示されずとも「分かり始める」という構造。素晴らしいです。『東京物語』ばりに全国民が泣ける映画です。