綾

レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語の綾のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

めっちゃ懐かしい… やっぱり完璧なダークファンタジーだった。なぜか無性に観たくなったので数年ぶりに鑑賞。

聡明で美しい子どもたち、魅力たっぷりの悪役、細かく回収されていく伏線、一度みたら忘れられないキャラクター、あまりにダークなストーリーテリング、その中に見え隠れする光、まるで絵本を開いてるかのような画、印象的な音楽… どこをとっても良いな。こんなに“不幸せ”なのに何故か満たされる。

小さい頃、よくオラフ伯爵を悪夢に見た。笑
『フィリップ、きみを愛してる!』でも思ったけど、ジムキャリーは私の中で“腹の底が読めない不気味な人”。笑
オラフ伯爵の瞳孔が開いているような目が怖い。ジムキャリーの演技が最高。もう絶対近付きたくない。
それでも、何度悪夢に見ようと、妙に惹きつけられてしまう。実際この映画は数えきれないほど観てきたもの。本当に不思議な魅力。

あの影絵のシーンが好きだなあ。
子どもたちの切実さが伝わってきて胸がぎゅっとなる。Sanctuary は自らの手で生み出すもの。家族が揃えばそこが Home になる。昔は感じなかった感動で胸がいっぱいになった。

あとこれも昔は何とも思わなかったけど、ダスティンホフマンとジュードロウの使い方…!たかが数分、特に意味なく登場するダスティンホフマンと、ずっと顔を見せないジュードロウ。贅沢かよ…!!

「この世は つらく思える時もあるが 本当はよいことの方がずっと多い よく見ればわかる」
この物語だからこそ響く台詞だなあ…

賢く勇敢な子どもたちが、互いに支え合いながら、愚かな大人たちに頼らず道を切り拓いていく。
“世にも不幸せ”だけれど、見えない光がある良い映画。幼い頃からの思い入れも込みで、ダークファンタジーで一番好き。
綾