いののん

若葉のころのいののんのレビュー・感想・評価

若葉のころ(2015年製作の映画)
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映像がとても美しく、みずみずしい。情感たっぷりの、美しい曲。


主人公の女の子(ルゥルゥ・チェン)を見るのは今回が初めてでしたが、最初のうちは、格別に可愛いとは感じず、どこにでもいそうな女の子だな、なんて思って見ていましたが、途中からもう可愛くて可愛くて仕方がないように感じられ、あの男の子たち(過去の・そして現在の)と同じように、ルゥルゥ・チェンを見つめるしかできない状態になりました。ルゥルゥ・チェンは、ペラペラと喋ることもなく、自分を盛ったりも卑下したりもせず、自分の心のうちで、色々なことを抱え込み、また格闘しているであろうところに惹かれました。

過去の・現在の男の子たちの、真っ直ぐにルゥルゥ・チェン見つめる、その視線の力強さにも、キュンキュンしました。


現在と、17歳を行ったり来たりされると、もうそれだけでまいってしまいます。それは卑怯だぞ! 
今作で、(現在パートの大人の)男の人リン・クーミン(リッチー・レン)が、駅で待ち合わせしていて、そこにかつての17歳のままの少女が現れた時の驚きの、その何とも言えない表情をみた瞬間、私の中にまだかすかにあると思われる乙女心を、根こそぎもっていかれました。はい、私の負けです。


現在パートの男の子も、逃げないし真っ直ぐだし、とても好青年なのに、現在を描く部分が、中途半端に放り投げられたまま終わってしまったところが残念です。親友の女の子との関係改善も含めて、主人公の背中をそっと押すようなかたちで、終わってほしかった。母の過去をたどったら、娘はやはりそれを現在の自分へと転化・発展させ、自分の足で新しい一歩を踏み出していかなければならないと思うから。
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