このレビューはネタバレを含みます
やっぱり彼にも負い目があったんでしょうね…。
S.キューブリック監督作品というと、凡人には理解しがたい奇天烈な映画のイメージが強いですが、これは感情移入もしやすく、受け入れやすい作品です。
したたかに世渡り上手な男に見えて、いざとなると弱さが出てくる、非常に人間臭いドラマでした。
結婚して以降は、もうちょっとやりようがあったと思いますが、まぁ、詐欺師のような生き方をしてきたのですから、性根は変えられないということなのでしょう。
決闘という極限の中で、義理の息子にチャンスを与える選択をしたのは、負い目からの、人生の潮時としての覚悟をしたからなのでしょうか?
しかし、そこで死にきれずに、ある種惨めな去り方で終わってしまったのが、この男の持っている中途半端な、人生への積極性を象徴している気がします。
頭は良さそうなので、この先も上手いことやって生きていくのでしょうね。
いろいろと生きていく上で教訓になる作品でした。