真田ピロシキ

ゾンビ・サファリパークの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

ゾンビ・サファリパーク(2015年製作の映画)
3.5
タイトルから「ゾンビハントだぜヒャッハー!ジュラシックパークのようにセキュリティがダウンしてウギャー」みたいなバカ映画を想像するが実は結構骨のある映画。原題はThe Rezort。

ゾンビの真実については「ゾンビ戦争後新たに発見された」という台詞から何となく察しがついていたが何を使ったのかで特色を与えている。難民がいなくなっても誰も気にしないし減るならば人々は歓迎する。これはまさに現実の社会にリンクしてて実際近いことはあり得るんじゃないかという気がする。この辺がかなり真剣に感じるので「ゾンビより人間が怖い」という命題にもおざなりじゃない志の高さを見て取れる。享楽的な文明批判もあるよね。ゾンビ狩りの参加者でオンラインゲーム(多分FPS)の優勝者がいるのになかなか現代らしいパンチが効いてる。

テーマ以外でもゾンビ映画として良い感じ。ゾンビの数はどこにそんなに隠れていたんだと思うくらい出てくるし、カメラワークは見易い。ゴアは血が出る程度なのが個人的にはありがたいところ。噛まれたら即処分されるのでこのジャンルによくあるゾンビ化の葛藤や隠蔽はなかった。本作独自の設定にゾンビ化して新しい程動きが早いというのがあったのだけど、後半のゾンビは演出の都合なのか基本走りなので曖昧になってると感じられた。この設定はストーリーの真相を隠すのには役立ってた。そう思うとやはり無駄がない。ゾンビ映画の秀作。