TAK44マグナム

ザ・プレデターのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

ザ・プレデター(2018年製作の映画)
3.8
「ただ狩りをするだけならプレデターじゃないぞ、そりゃハンターじゃん!」
「いいの!格好いいからOK!」


そういうわけで、宇宙のあちこちで狩りをしまくって迷惑千万、でもその生き方にどこか憧れてしまうプレデターが暴れまわる映画がスクリーンにかえってきましたよ!
しかも、まさかの新作!
「ザ・プレデター」!

因みに、「プレデターかハンターか」のやりとりは実際に劇中で二回もあったりします。
(溢れる80年代魂コンビである)脚本のシェーン・ブラックとフレッド・デッカーどちらの領分か知りませんが(もしくはどちらもか)、「食べる為に狩るのでなければ捕食者という意味のプレデターという通称はおかしい」という長年の疑念に終止符をうちたかったのかもしれませんね。
その答えが「格好いいから良いんじゃね?」っていうところが最高にイカしてます。

監督も脚本兼任でシェーン・ブラックが担当。
「アイアンマン3」が代表作でしょうが、なんといっても俳優として一作目の「プレデター」に出演、真っ先にハントされるという名誉ある役で一躍ボンクラ映画界の寵児となったお方が、ついにプレデターの世界に帰還!

主演のボイド・ホルブルックは「ローガン」での悪役が印象的でしたが、元大工のモデルさんという異色の経歴の持ち主。
元大工ってハリソン・フォードみたいですけれど、ルックスに自信のある大工さんは舞台とか作る方へ行ったほうが道が拓けるかも?
安い賃金でアパート建ててる場合じゃないぞ!


さてさて、本作に登場するプレデターは2人です。
劇中では1号とか黒い奴とか呼ばれてましたが、最初にやってきた1号は他のプレデターを裏切った逃亡者なんですね。
ある大事なモノを地球に運び込みます。
そして、それを追ってきたのが異種交配の末にパワーアップした黒い奴ことアルティメットプレデターです。
アルティメットプレデターの目的は逃亡者の抹殺および積荷の回収であります。
こうなると、もはや地球観光のアクティビティで狩猟体験をしたり、地下ピラミッドでエイリアン相手に成人式をやるような話ではなくて、何だか宇宙規模の内輪揉めに巻き込まれたみたいな、そんなお話になっています。
でも、地球が無関係かというとそんな事はなく、大いに関係しちゃっているものだから事情は複雑。

メキシコで逃亡者と一戦交えた主人公の軍人マッケンナが、ひょんなことから知り合った危ない軍人たちとチームを組み、息子であるローリーを助けるためにプレデターたちとの大バトルに身を投じてゆきます。
ローリーには天才的な特殊能力があって、そのせいで事件に巻き込まれてしまうのです。

2人のプレデター、異星の文明を狙う政府直属の組織、そしてマッケンナたち。
はたして、逃亡者が守る謎の積荷とは何なのか?
マッケンナはローリーを助けることが出来るのか?
いま、最強の存在を賭けたラストバトルが始まった!!


出だしは好調というか、登場人物たちの紹介が割と丁寧な描写で続くのですが、マッケンナが仲間となる訳あり軍人たちと出会う辺りからギアが上がり、物語の進行スピードが如実に違ってきます。
この辺りから脚本も行き当たりばったりというか、驚くほど雑なのが目立つようになります。
女性科学者が何故かものすごくタフで、ヤル気満々だったり、軍人たちは知り合ったばかりの男のために命を賭けたり、何かしらのエクスキューズが欲しい部分でも何の説明もありません。

光学迷彩の使い方がどうしてあなたに分かったの?
とか、
ローリー、結果的に人殺しちゃったんじゃないの?
とか、
例え話がトゥインキーかよ!
とか、ツッコミどころも枚挙にいとまがない。
ツッこんでいたら、いつの間にか映画が終わっていることでしょう。

シェーン・ブラックの作風なのか何のか、とにかくセリフを喋りながら物事が動き、常に画面が忙しそうにしているため、とにかくワチャワチャしています。
加えて、バトルシーンの殆どが暗かったり、カット割りが早すぎて訳がわからないのも少しストレスかもしれません。
研究所みたいに明るい場所での大殺戮シーンは見やすくて良かったですが・・・。

人によっては、この強引すぎる筋書きと、やたらと小学校の休み時間みたいにワチャワチャした雰囲気が合わないと思います。
かくいうこれ書いてるマグナムも、あまりにもテキトーすぎる内容に面食らいましたよ(汗)

でも、しっかりとプレデターは格好良いし、プレデターっぽい残酷描写はバッチリでした。
あくまでも己の力と従来の装備のみで戦うことを誇りとする「古い体質=武人」の逃亡プレデターと、勝つためなら何をしても良いが信条のアルティメットプレデターの激突は、なんとなく刃牙VSジャック・ハンマーのような図式で、新しいプレデター像を見せてくれたような気がします。
クライマックスのバトルも壮絶で、アルティメットプレデターの強さと共に、人間を舐めるな的な強さも描かれているのが興奮できましたね。
しっかし、「プレデターズ 」の奴らも胸糞悪かったですけれど、アルティメットプレデターも心底嫌なヤツでした。
悪役はこうでなくてはいかんのですが、プレデターっていうと二作目以降、「悪」というより「武人」のイメージが強かったので、こいつのワルぶりは逆に新鮮に映りましたよ。
(○○○使って○○しかけてくる○○フも、また嫌な感じ!)


全体的な完成度という点では、あまりにも荒削りだなという印象しかないのですが、ラストに用意されていたサプライズでマグナム的には全てが帳消し!
マジで格好良すぎるでしょ、アレ!
マッケンナの軽口もキマッてる。
これは続編あったら、ついに全面戦争勃発なのか・・・?
他の映画(例えば「インディペンデンス・デイ」とか)なら、敵の星へ派兵とかやめてほしいアイデアですが、この映画に限ってはプレデター星にカチコミかけて欲しいなぁ!
人間が、ただの狩りの対象じゃないってことを教えてやってほしいぜ!!

そんなわけで色々と問題点もありはしますが、是非ヒットして、このまま続編へと雪崩れ込んでほしいものです!
期待しちゃうなぁ・・・アレは!


あ、あと、いい加減、シュワちゃんに出てもらって「あいつらと戦う・・・?やめておけ、死にたくないのならな」みたいなセリフを言ってほしい。
まだまだ元気なうちにお願いします。


劇場(シネプレックス平塚)にて







※以下、ネタバレなので未見の方はお気をつけください。








ラストを飾ったスーパーガジェットのプレデターキラー!
プレデターと言えば、やはり厨二心に響くガジェット類じゃないですか?
男の子なら大好きでしょう、ショルダープラズマカノンとか!
その集大成のような、対プレデター用の最強兵装がプレデターキラー!
サイズを気にしている場合じゃないですよ!
早く解析して量産、100万のプレデターキラーで殴り込みをかける時がきたんですよ!
ただし正々堂々、光学迷彩で正面突破!

せっかくのプレデターキラーがあれだけの出番で終わるのは本当に勿体ない。
どうせなら、逃亡者プレデターとマッケンナが共闘、アルティメットプレデターに追い詰められて絶体絶命の中、マッケンナに託されるプレデターキラー!
その圧倒的な戦闘力でアルティメットプレデターを粉砕するも、時間を稼いだ逃亡者プレデターは死に、そのガントレットをそっと埋めるマッケンナ・・・
みたいな神展開だったら、脚本がどんなに荒れてようが、演出がドンチャン騒ぎみたいだろうが、満点つけちゃうんだけどなぁ〜!

うう〜、プレデターキラー装着して街を練り歩きたい!!