不死鳥の川

未来よ こんにちはの不死鳥の川のレビュー・感想・評価

未来よ こんにちは(2016年製作の映画)
3.6
生きていく中で様々な出来事に悩み葛藤しながらも、孤独に浸り切ることなくゆっくりと歩みを進めていく女性の姿を描いたフランス映画。

2023年77本目。

娘として、母として、妻として、教師として、哲学者として。これはあくまでナタリーの場合ですが、人間誰しも生きていれば多くの立場を獲得していき、その関係性の中で楽しいことばかりではなく、苦しいことや辛いことも経験しながら日々を生きていく。言ってしまえば人生なんてこれだけのことですが、そんな当たり前のことについて淡々と、それでいて説得力を持って改めて提示してくれる作品でした。

随所に光るフランス映画らしい卑屈っぽさが印象的でした。ただ1人の女性が色んな出来事に静かに向き合いながら歩みを止めないだけなのに、なぜか感傷的にもなれるし希望を抱くこともできる、不思議な作品でした。イザベル・ユペールの安定感が凄い。
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