いののん

未来よ こんにちはのいののんのレビュー・感想・評価

未来よ こんにちは(2016年製作の映画)
3.6
この映画は、30代の監督が、やがて自身が50代になった時にこういう佇まいでありたい、という気持ちを込めて製作したのではないかと勝手に推察する。

子どもたちの独立、夫との離婚、母の死。自分の仕事のやり方(思想)はもう古いのだと言われ、愛弟子からも全面肯定はしてもらえない。それでもナタリーは歩き続ける。孤独を恐れず、自分を否定せず。ありのままの自分を、受け入れ続ける。

その姿は凜としていて、とても美しい。海や風の音とも、大自然とも、そして町並みとも、とてもよく似合う。ひとりで立ち続けようとする者たちを、静かに励ます映画になっている。

でも、だからこそ、自分の孫を抱きしめて終わるラストではなく、もう少し違うたたずまいをラストに提示しても良かったのではないかと思う。
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