映画好きなら避けては通れぬトレインスポッティング。
その続編です。
あの4人が再びスクリーンに帰ってきました。
未来なんかクソ食らえ!
今が楽しければそれでいい!
そんな彼らは20年後、どうなっているのか…
こんなに興味を引く続編も珍しいですね!
フタを開ければ、やはり彼らは彼らのままでした。
ベグビーの「賢くもない俺らみたいな人間はどう生きればいいんだ!素手で人生を掴むしかないんだ!」という絶叫は、この続編のベースとなる言葉だと思います。
キッカケや金を得ても、彼らはそれを活かす術を知らない。
どツボなんですね。これは前作から引きずっている、彼らの意識のツケな訳です。
レントン、スパッド、シック・ボーイ、ベグビー…
この4人は、めちゃくちゃ弱いんです。
現実から目を背け、ドラッグとセックス、酒で刹那的な快楽を得、逃げ続ける。
でも、現実はいつでもそこにあり、逃してはくれない。
それでももがいて、彼らは彼らなりの道筋を見出していきます。
ベグビーがJrの生き方に理解を示し、未来を願うシーンは、涙無くして観れません。
俺は俺の生き方を変えられない。
変える術を知らない。だが、お前は「俺や親父を超えていけ」と。
負けを認めること、逃げていた現実に目を向けるのって、ホントに辛い。
スパッドの小説エピソードも素晴らしい。
彼らは一見「他人なんてどうでもいい」といったスタンスを取っているように見えますが、根底では違うんです。
俺らはこうやって生きてきた。
それを、誰かに知っていてほしいんですよね。
そんな彼らのちっぽけな歩みがなんとも愛おしい、そんな作品です。
前作程の疾走感はありません。
皆歳をとりました笑
でも、彼らの生活やスタンスは、未だに強烈な魅力を放ちます。
この作品は一緒に観る人間がすごく大切です。
奥さん?彼女?ダメですよ。
一生のツレか、一人で観ましょう。
僕はこの作品を鑑賞後、大阪ステーションシネマの喫煙所でツレとタバコを吸う時に、名状しがたい幸せを感じました。